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USENNEX Research Memo(8):グループシナジーを最大化し、企業価値の最大化に取り組む

発行済 2018-11-16 15:08
更新済 2018-11-16 15:20
USENNEX Research Memo(8):グループシナジーを最大化し、企業価値の最大化に取り組む
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■USEN-NEXT HOLDINGS (T:9418)の中期経営方針

1. 基本方針と経営戦略
「必要とされる次へ。
」という経営の基本方針のもと、ホールディングス体制へと進化した同社は、新しい価値・サービスの創造を通じ、社会から必要とされ、期待され続ける企業グループとして、株主価値と企業価値の最大化に取り組んでいるところである。
同社は、グループ企業価値の最大化を実現するため、売上高、EBITDA、資本的支出を計画にしたがって維持するとともに、財務バランスの健全性を計る指標である自己資本比率、収益性指標(売上高当期純利益率)、効率性指標(総資本回転率)、負債の有効活用度(財務レバレッジ)で構成されるROEを重要な経営指標としてベンチマークしている。


同社の中長期的な経営戦略は、統合の目的であるグループシナジーを最大化し、新たなサービスを創出しながら、成長性や収益性を強化していくことである。
また、急速に変化するテクノロジーや社会環境におけるニーズやビジネスチャンスをいち早く捉え、IoTやAIといったIT技術を活用して対応していく。
そして、迅速な意思決定によって収益に取り込み、株主価値と企業価値の最大化に取り組んでいく方針である。
顧客基盤の共有化と事業会社間の連携強化、専門領域の深掘りを通じて、新たに区分された6つのセクターで、それぞれ事業価値の拡大に取り組んでいく考えである。



中期利益成長に向けた準備が整いつつある
2. 中期利益成長シナリオ
安定高収益事業の業務店向け音楽配信事業を基盤に、映像配信事業とエネルギー事業、店舗向けIoT事業、業務用システム事業が同社の中期成長をけん引すると思われる。
統合により資金の運用がより効率化されたため、全体最適を目指しつつ各事業の部分最適も図りやすくなったことも今後の成長要因と考える。
このため、事業成長へ向けた先行費用(投資)の発生や高成長低粗利事業の拡大による利益率の低下の可能性はあるが、グループ全体の営業利益規模は順調に成長拡大するだろう。


(1) 店舗サービス事業
音楽配信事業については、厚い顧客基盤と現状の収益水準を維持することが目標となる。
可能性として高くないかもしれないが、同社が業界2位のキャンシステムをM&Aしたため、不適法店の減少など業界秩序が落ち着き、顧客が増勢に転じる可能性もあると考える。
店舗向けソリューションサービスは、社員を増強し代理店やテレマーケティング、Webなど直販以外の営業を推進するなど営業戦略を強化している。
したがって、社員増強や代理店のモチベーション向上のため、短期的にややコスト先行とならざるを得ないだろう。
ただし、タブレットPOSレジや少額短期保険など重ね売りの進行によっては、1顧客当たりの売上高の向上が早まる可能性もある。
また、キャッシュレス化や労働力不足など、業界環境の変化が急速で、業務店のニーズも急に高まる可能性がある。
そうしたニーズに対して同社はキャッシュレス化対応でリクルートと提携、アリペイなど中国系電子マネー決済サービスを導入、卓上でのセルフオーダーシステムを開発するなど商材・サービスの開発を積極化している。


(2) 通信事業
インターネット回線の販売代理におけるコミッション減や、格安スマホサービスへの大手キャリアの参入など事業環境が厳しくなっていることから、事業構造変化への対応ができるまで、今後営業利益率が低下する可能性がある。
しかし一方で、代理店網は、同社顧客基盤拡大やクロスセル強化など店舗支援に貢献することが期待される。


(3) 業務用システム事業
アルメックスについては、インバウンドが追い風になりそうだ。
レジャーホテルでの外国人の宿泊ニーズが高まっており、これに伴い改装が増えているもようである。
また、人手不足感も年々強まりつつあり、アルメックスのホテル向け自動精算機へのニーズはしばらく強そうだ。
アルメックスも、民泊/簡易宿所向け宿泊管理システムの開発や、世界最大級の旅行プラットフォームを展開するエクスペディア・グループとの業務提携など、高成長事業に劣らず経営は積極的である。
また、引き続き高度医療機関への自動再来受付機や自動精算機の導入も堅調である。


(4) コンテンツ配信事業
コンテンツに偏りのある上位2社、急成長中のAmazonやNetflixに対して、U-NEXTは新作で優位性を発揮しており、中期的に2ケタ以上の高い伸びを続けることが予想される。
また、ソニー「ブラビア」のリモコンにU-NEXTボタンを付けたが、テレビのネット接続比率が上昇傾向にあるなか、加入にもつながっているもようである。
このようにリモコンへのU-NEXTボタンの設置は有力な戦略と見られ、ソニー以外のメーカーへの展開も検討しているところである。


(5) エネルギー事業
2016年9月とスタートしたばかりだが、「USENでんき」は順調に契約者数を拡大、2018年10月からは「USENGAS」もスタートした。
着実に安価に提供できるため同社の顧客に好評で、グループ商材拡販に向けたフック商材として位置付け、なお一層営業を強化している。
出足好調も営業費が嵩んで当面利益はマイナスだが、5年以内に10億円超の収益改善、黒字化を見込んでいる。


(6) メディア事業
インバウンド需要の中でも、日本で日本食を食べることの付加価値が高まっている。
このことから、インバウンド向けに良質な食の体験を提案する戦略は、中期的に非常に有効だろうと考える。
今後は、Webのみならずイベントや書籍などをミックスしながらメディア展開し、国内のみならずアジアを中心に世界へ向けてユーザーの拡大を図る考えである。


中期的な収益動向を総括すると、2019年8月期はコスト先行で、その後一時営業利益率は改善するものの、粗利率の低いエネルギー事業の拡大や通信事業のビジネス転換により、中期的に営業利益率は下がることが予想される。
一方で、エネルギー事業が売上成長に大きく貢献することが予想される。
つれて営業利益額も成長力が増していくことが予想されるため、2022年8月期には100億円を超える営業利益を期待したい。
なお、中期経営計画について、同社は経営統合や新規事業の進捗を見ながら策定する考えのようだ。
遠からず公表されることを期待する。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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