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日本電技 Research Memo(1):豊富な実績とノウハウを誇る計装エンジニアリング企業

発行済 2018-12-27 15:11
更新済 2018-12-27 15:20
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■要約

日本電技 (T:1723)は、オフィスビルをはじめホテルや病院、工場など非居住用建築物を対象に、空調設備を自動制御するビルディング・オートメーションや、工場の組立工程を自動化するファクトリー・オートメーションという分野において、設計から施工、メンテナンスまでを手掛ける「計装※エンジニアリング専業企業」である。
特に2,000億円といわれる市場規模を有する同社主力の空調計装においては、自動制御機器大手であるアズビル (T:6845)の最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として豊富な実績とノウハウを誇っている。


※計装(Instrumentation):ビルや工場などにおいて、空調や生産ラインなどの各種設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって有機的に機能させること。



同社の事業は、空調計装関連事業と産業計装関連事業に大別される。
空調計装関連事業は主にビルや工場、病院、クリーンルームなどを対象に空調に関する計装を手掛ける事業である。
産業計装関連事業では工場の生産ラインや搬送ラインなどに対する計装を手掛けている。
売上高に占める割合は、空調計装関連事業87.1%、産業計装関連事業12.9%となっている(2019年3月期第2四半期)。
同社は、経験が物を言う計装の大手で、かつ唯一のエンジニアリング専業企業である。
「計装エンジニアリング」企業だからこそ対応が可能になる顧客ニーズも数多く、このユニークなポジションが同社最大の強みと言える。


2019年3月期第2四半期の業績は、受注高17,764百万円(前年同期比11.9%増)、売上高7,502百万円(同4.9%減)、営業損失398百万円(同23百万円増益)となった。
受注は、好採算物件や既設工事につながる物件に絞っているものの、好業績なメーカーによる工場への増強投資拡大など活発な経済活動を受けて好調が継続している。
ただし、売上高と利益については、ボトルネックによる工期の延伸や人件費の高騰などから後ろ倒しになっているもようである。
なお、同社の事業の特性上、第4四半期に売上高と利益が偏るという季節的変動がある。


2019年3月期の業績見通しについて、同社は受注高27,300百万円(前期比8.5%減)、売上高27,500百万円(同1.2%増)、営業利益2,750百万円(同0.6%減)を見込んでいる。
都市部を中心に堅調な建設需要が続くなか、繰り越し工事を順調に消化することで増収を確保するが、労務費や資材費などの高騰から営業利益は微減益予想となっている。
しかし、第2四半期までの受注高や消化状況を見ると、売上高と利益は下期~来期とまだ強そうだ。
このため、同社業績見通しは、現時点でやや保守的ということができる。


同社は中期経営計画の中で、2021年3月期に受注高31,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業5,000百万円)、売上高30,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業4,000百万円)、営業利益3,500百万円を目指している。
このため同社は、効率重視の事業展開、顧客との関係強化の推進、戦略的受注の徹底、ニーズに応える技術力強化と領域拡大、働き方改革への対応——といった戦略によって達成する計画である。
東京オリンピックへ向けて景気は強含みが予測されているが、同社の利益成長に期待したい。


■Key Points
・「計装エンジニアリング」そのものが同社の強み
・2019年3月期は微減益予想も、受注動向などから保守的
・技術力強化や事業領域の拡大等により2021年3月期に営業利益3,500百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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