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アエリア Research Memo(4):IPビジネスが急拡大

発行済 2019-05-13 15:24
更新済 2019-05-13 15:41
© Reuters.  アエリア Research Memo(4):IPビジネスが急拡大
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■アエリア (T:3758)の事業概要3. コンテンツ事業コンテンツ事業では、PCやガラケー、スマートフォンなど時代時代のプラットフォームに合わせ、各種ゲームを市場に投入してきた。

現在はスマートフォンゲームが人気の中心になっており、同社も女性に向けたスマートフォンゲームを開発、「アイ★チュウ」や「A3!」といった大ヒットを飛ばしている。

「イケメンシリーズ」という大型コンテンツを有するサイバードも買収した。

さらに同社は、単純な課金収益から、こうしたタイトルから育ったキャラクターをゲーム以外にも利用するIPビジネスへと同事業を進化させているところである。

(1) リベル・エンタテインメントリベル・エンタテインメントは、ソーシャルゲームの開発・運営、コンシューマーゲームの開発、ゲーム事業に関するコンサルティング業務を事業とする、同社コンテンツ事業の中核会社である。

女性をターゲットにした「イケメン育成ゲーム」に絞り込んで開発したことが奏功し、2015年にスマートフォンゲーム「アイ★チュウ」がヒット、続けて2017年に「A3!」が大ヒットした。

さらにIPを利用した周辺ビジネスへと業容を拡大している。

ヒット作品の効果は3年、周辺ビジネスへの拡張ができればそれ以上に続くと言われることから、今まさに伸び盛りの孝行子会社と言うことができる。

a) アイ★チュウプレイヤーが教師兼プロデューサーとなって、アイドルの卵「アイチュウ」を一人前のアイドルに育成する、恋愛リズムアドベンチャーゲーム。

2015年6月に正式サービスを開始、収益源は基本プレイ無料+アイテム課金で、2017年1月には100万ダウンロードを記録するヒットとなった。

このため、リアルの関連商品も盛り上がり、音楽CDやコミックアンソロジー、小説、ファンブックなどを世に送り出した。

「アイ★チュウ ザ・ステージ」のタイトルで2.5次元※化され、これまでに10数回の公演が行われている。

さらに、「ハローキティ」とのコラボイベントの開催や今後の新シリーズの可能性など、非常に息の長い作品になっている。

※2.5次元:2次元のアニメやゲームなどを原作・原案とした、ミュージカルなど3次元の舞台コンテンツ。

b) A3!(エースリー)つぶれかけのボロ劇団の総監督になったプレイヤーが、新米イケメン劇団員たちを稽古で育て公演成功に導く、イケメン役者育成ゲーム。

全編フルボイスで、資金稼ぎのためのミニゲームも収録されている。

2017年1月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービスを開始、「アイ★チュウ」の成功体験を生かすことで、2019年2月には600万ダウンロードを記録する大ヒットとなった。

リアル関連商品としては、既にCDやコミックアンソロジーほか多くの商品が売り出されている。

また、2018年6月〜11月、2019年1月〜3月に「MANKAISTAGE『A3!』」として舞台化され、ライブビューイングも実施した。

さらに2019年4月〜5月、8月〜9月には「MANKAISTAGE『A3!』」の新作が上演される予定である。

加えて、繁体字版(配信地域:台湾、香港、マカオ)での配信開始や世界配信に向けた英語版のライセンス契約締結など、海外展開も推進している。

また、遅れている中国での配信開始も期待されている。

「A3!」は「アイ★チュウ」以上に大きく育ってきており、人気は当面衰えそうにない。

c) リベル・エンタテインメントのその他の作品「蒼焔の艦隊」は、プレイヤーが蒼焔の艦隊の総司令官になり、謎の敵−影の艦隊−と戦う本格海戦ゲーム。

2017年9月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービスを開始した。

2019年3月には88万ダウンロードに達するなど着実に人気を集めている。

そのほか、受託・開発協力タイトルとしては、「乖離性ミリオンアーサー」「大乱走 ダッシュor奪取!!」「ワンピースROMANCE DAWN冒険の夜明け」などがある。

また、男性をターゲットとした美少女育成ゲームの開発も検討中のもようだ。

(2) サイバード2018年6月に子会社化したサイバードはスマートフォンゲームの老舗で、ストーリー性の強い女性向け恋愛ゲーム「イケメンシリーズ」が圧倒的な支持を女性から受けている。

ほかに脱出ゲームや占いにも定評がある。

「イケメンシリーズ」は、シリーズ累計で2,000万以上のダウンロードを誇る超大型作品である。

連結後は、同社の女性向けゲーム市場における大きな収益基盤となるだけでなく、サイバードが海外展開や自社キャラクターのIPマネジメントに定評があることから、同社の持つほかのゲームやキャラクターの海外展開、コンテンツプロモーションといった面でのシナジーが期待できそうだ。

(3) IPビジネスへのシフトこれらのほかにも、リリース中や開発途中のゲームやコンテンツが多数ある。

(株)アリスマティックの「DYNAMIC CHORD」、BL(ボーイズラブ)の「テンカウント」、(株)サクラゲートのオンラインカジノ/ランドカジノ向けスロットゲーム等々で、好評なものも少なくない。

しかし、「A3!」のヒット、「イケメンシリーズ」の獲得により、同社のコンテンツ事業のビジネスのあり方が大きく変わってきたようだ。

課金ビジネスとしてのゲームの魅力は大きいが、それ以上にキャラクターによるIPビジネスは魅力的である。

ゲームとしての収益に加え、グッズやCD、舞台など収益の拡張性が高いからである。

さらに、ゲーム以上にキャラクターのライフサイクルは長く、ロイヤリティも高い。

プラットフォームが変わってもIPはゲームほどに影響を受けないと言われている。

スマートフォンの普及でメディアの利用が変わったためゲーム発のキャラクターへの関心が高まり、従来あまり見られなかったゲームからのアニメ化も増えてきている。

このように「A3!」のヒットや「イケメンシリーズ」の獲得によって、同社のゲーム開発の方向性も、従来の課金狙いの大量生産から、IPビジネスを意識した丁寧な作り込みへと変わったということができる。

そしてこのことが、後述する集中と選択によって子会社やタイトルの再編を進める動機になったと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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