30日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。
29日の米国市場は、中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることが報じられ、米中対立の長期化が世界経済に悪影響を与えるとの見方が強まった。
これにより、NYダウは連日で200ドルを超える下落となっており、この流れから先物主導による売りが先行しよう。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の20875円。
円相場は1ドル109円50銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好となろうが、前日の大引け直後にはNYダウ先物の下落を背景に225先物のナイトセッションでも弱い値動きをみせていたこともあり、過度な反応はなさそうであり、売り一巡後は底堅さが意識されよう。
日経平均は21000円が上値抵抗として次第に意識されそうな気配ではあるが、5月半ばの安値である20750円処を割り込まなければ下へのバイアスは強まることはなさそうだ。
また、中国国務院傘下の国家発展改革委員会は、ホームページに資料を掲載し、レアアースの輸出を対米制裁カードに活用する考えを示唆したと報じられている。
これについては直近で思惑も高まっていたこともあり、売りを誘うというよりは、大阪チタニウム (T:5726)や東邦チタニウム (T:5727)などのレアアース関連への個人主体の物色に向かわせそうである。
その他、本日はバルテス (T:4442)がマザーズに上場する。
足元で直近IPO物色などもみられていることもあり、こちらも個人の資金を誘い込みそうである。
また、人気化から値付かずの状況ともなれば、他の直近IPO銘柄のほか、同じく賑わいをみせている中小型のバイオ株などへの資金の波及も意識されるところである。
なお、主力処は手掛けづらい需給状況が続くことになろうが、半導体SOX指数は上昇している。
前日に新CPUとGPUを発表して急伸したAMDは利食いから3%を超える下落となった。
一方で、サイプレスセミコンダクタが12%を超える上昇。
経営戦略上の選択肢として身売りを検討しているとの報道が材料視されている。
ファーウェイ問題で揺れる中ではあるが、半導体関連へは再編機運も高まりやすく、押し目狙いのタイミングを探るところであろう。