[8日 ロイター] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズ (N:UBER)が8日発表した第2・四半期決算は、純損益が約52億ドルの赤字となり、売上高が市場予想を下回った。赤字幅は過去最大。主力の配車事業の伸びが鈍化したことが響いた。
純損失は52億4000万ドル(1株当たり4.72ドル)と、前年同期の8億7800万ドル(同2.01ドル)から拡大。今回の決算には、今年実施した新規株式公開(IPO)の関連費用39億ドルが含まれる。
インベスティング・ドット・コムのアナリスト、ハリス・アンワール氏は「赤字は拡大しており競争は激しい」と指摘。「売上高を拡大し、コストを圧縮する明確な道筋が示せていないことが投資家を落胆させ、決算発表後に株価への打撃となっている」と述べた。
前日に決算を発表した同業リフト (O:LYFT)が通年の売上高見通しを引き上げていたことから、ウーバーの決算はサプライズとなった。
ウーバーの株価は引け後の時間外取引で6%下落。リフトは約2%安となった。
売上高は31億7000万ドルで、伸びは前年同期比14.4%に鈍化。リフィニティブのまとめたアナリスト予想の33億6000万ドルを下回った。
配車事業の売上高は2%増の23億ドルにとどまり、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の72%増収がなければ、全体の売上高は減少していたことになる。
グロスブッキング(収入総額)は31%増の157億6000万ドル。アナリスト予想は158億ドルだった。
利用者の1回当たりの支出額は20%増加したものの、ドライバーへの支払い後のウーバー留保分は4%増にとどまった。
コストは147%急増し、86億5000万ドル。研究開発費の急拡大が響いた。
世界の月間アクティブユーザー数は9900万人と、前四半期の9300万人、前年同期の7600万人から増加した。
コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は、競争環境は正常化しつつあり、状況は第1・四半期から「着実に改善した」と述べた。投資額は今年がピークとなり、赤字幅は2020、21両年に縮小するとの見通しを示した。
リフトも前日、ウーバーとの価格競争が一段落したとし、販促やインセンティブへの支出が減少するだろうとの見方を示していた。
ウーバーによると、利払い・税・株式報酬前の損失は2倍以上に膨らみ、6億5600万ドルとなったが、会社予想より小幅な赤字にとどまった。市場予想(9億9600万ドルの赤字)も上回った。
同社は年間のグロスブッキングが650億─670億ドルになるとの見通しを示した。市場予想の659億ドルと一致した。
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