9日の日本株市場は、米株高の流れを受けて買いが先行しようが、買い一巡後は狭いレンジでのこう着感の強い相場展開になりそうだ。
8日の米国市場では、NYダウが371ドル高となった。
中国の7月貿易収支で輸出が予想外に増加し、世界経済減速への懸念緩和から買いが先行。
中国人民銀行が人民元売買の基準値を予想よりも元高に設定したほか、主要国での長期金利低下が一服したことから、一部銘柄に買い戻しが広がった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比215円高の20775円。
円相場は1ドル105円80銭台と円高に振れて推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行となるほか、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急伸し、16%を超える上昇となっており、これが支援材料になりそうである。
ただし、中国人民銀行が基準値を予想よりも元高に設定したことによる市場反応は前日の段階でみられており、改めて買い上がる材料には乏しいだろう。
また、AMDの急伸についても同社のCPUの新製品採用に伴う個別の材料であり、波及効果も限られそうである。
また、決算発表がピークを迎えており、前日には300社超、本日は600社を超える企業の決算発表が予定されており、積極的には動きづらいところである。
さらに3連休前であるほか、お盆休みに入ることから参加者も限られてくる。
そのため、薄商いの中を先物主導によるインデックス売買の影響をより受けやすくなるだろう。
週末要因から短期筋のショートカバーは意識されるものの、全体の方向感は掴みづらい。
そのため、物色はリバランスのほか、決算を手掛かりとした個別対応といったところ。
昨日決算を発表したところでは、資生堂 (T:4911)、国際石油開発帝石 (T:1605)、テルモ (T:4543)辺りに関心が集まろう。
また、個人主体の中小型株では、SDエンター (T:4650)、夢展望 (T:3185)、シンデンハイテ (T:3131)、ピアラ (T:7044)、アサカ理研 (T:5724)、AKIBA、PSS (T:7707)辺りに短期資金が向かいやすい。
なお、指値状況が薄いこともあり、決算に対する市場反応が上にしても下にしても相当大きくなっている。
特に不安定な相場環境の中でポジションがロングに傾いていないこともあり、ポジティブな決算に対する株価反応の大きさが目立っている。
しかし、日替わり的な物色になりやすいこともあり、決算評価とはいえ、急ピッチの上昇に対するその後の反動安も警戒しておく必要があるだろう。