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ケネディクス Research Memo(8):好調な不動産市況を背景として、AUMの積み上げにより業績拡大

発行済 2019-09-06 15:18
更新済 2019-09-06 15:20
© Reuters.  ケネディクス Research Memo(8):好調な不動産市況を背景として、AUMの積み上げにより業績拡大
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■過去の業績推移過去の業績を振り返ると、2007年12月期に業績のピークを迎えた後、2008年のリーマン・ショックに伴う不動産市況の悪化等により、ケネディクス (T:4321)の業績(営業収益及び営業総利益)は下降線をたどった。

特に、不動産市況の影響を大きく受ける不動産投資事業の低迷が業績の足を引っ張った。

一方、アセットマネジメント事業は2008年12月期にインセンティブフィーの縮小等で一度落ち込んだものの、その後は安定的に推移しており同社の業績を下支えしてきた。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、過去の含み損を抱えた連結対象不動産の売却損(特別損失)により低迷してきたが、2015年12月期には含み損の処理が完了している。

安定収益であるアセットマネジメント事業への回帰や含み損を抱えた資産の売却により、事業の立て直しを進めてきたことに加えて、不動産市況の回復等も追い風となって、同社の業績は2013年12月期から回復に転じている。

特に、しばらく停滞気味であったAUMの拡大に伴い、安定的なアセットマネジメントフィーも年々増加基調をたどっており、同社の収益構造は大きく変化をしてきた。

したがって、これまでの動きを整理すると、アセットマネジメント事業への回帰によるReform(2009年から2012年)、バランスシートの再構築(含み損を抱えた過去保有物件の処分、有利子負債の削減など)を進めたTransform(2013年から2015年)を経て、2016年より「ケネディクスモデル」(不動産を自ら保有せず、安定的な収益力を追求)」の本格稼働(Perform)フェーズに入ってきたと言える。

財務面では、連結対象不動産(棚卸資産及び固定資産)の整理に伴って有利子負債残高の削減が進んできたことから、自己資本比率は改善傾向をたどってきた。

なお、2014年12月期に自己資本比率が一旦低下したのは、同社ファンドビジネスの成長に向けて積極的な新規投資を行ったことにより有利子負債が増加したことが要因である。

2015年12月期には、アセットマネジメント事業の拡大を目的としたREIT関連投資等を資金使途とするリファイナンスを実施し、長期化・金利固定化・無担保化により財務の安定化を図った。

また、新規投資はノンリコースローンにて調達を行っており、通常のコーポレートローンは減少傾向をたどってきたことから財務の健全性は高まっていると評価できる。

ノンリコースローンによる調達分を控除した修正自己資本比率は70%の高い水準で推移している。

一方、資本効率を示すROEは、親会社株主に帰属する当期純利益の低迷により不安定な動きをしてきたが、2015年12月期以降は10%を超える水準で推移している(2018年12月期は13.4%)。

今後も「ケネディクスモデル」の本格稼働により、高い水準を維持しながら持続的な改善を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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