[東京 10日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比41円73銭高の2万1360円15銭となり、続伸した。前日までの堅調な地合いを引き継いだほか、ドル高/円安となっていることなどが好感され、全体的にしっかりとなっている。ただ、その後は高値警戒感から買い手控えとなり、前引けにかけて伸び悩んだ。
9日の米国株式市場は、ダウなど主要株価指数が高安まちまちで小動きとなったものの、外為市場でドル/円が107円台半ばで推移するなど円安に振れ、好感された格好となっている。
一方、中国国家統計局が発表した8月の中国卸売り物価指数(PPI)は前年同月比でマイナス0.8%で、下落幅は2016年8月以来の大きさとなり、中国の内需の減速について改めて懸念が広がったが、中国株をはじめアジア株は比較的落ち着いて推移していることが注目された。
ただ、前日までの5日続伸によって、日経平均は8月の急落相場以前の水準まで戻ってきたことで「これまでの上昇で利益確定売りもかさんでくると考えられることから、一気に上昇するのは難しそうだ」(キャピタル・パートナーズ証券のチーフマーケットアナリストの倉持宏朗氏)といった指摘もあり、警戒感の強まりによって前場中盤から伸び悩む展開になった。
個別では、コマツ (T:6301)、日立建機 (T:6305)、ファナック (T:6954)といった中国関連株が上昇したほか、トヨタ自動車 (T:7203)などの主力輸出株が堅調となり、日産自動車 (T:7201)も買われた。三菱UFJフィナンシャル・グループ (T:8306)、三井住友フィナンシャルグループ (T:8316)など銀行株も高いが、三菱地所 (T:8802)などの不動産株や、JR東日本 (T:9020)、東武鉄道 (T:9001)をはじめ電鉄株がさえない。
TOPIXは0.40%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0720億3700万円と商いは回復している。東証33業種では、銀行、証券業などの上昇が目立った。
東証1部の騰落数は、値上がりが1353銘柄に対し、値下がりが710銘柄、変わらずが86銘柄だった。