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クロスマーケ Research Memo(3):ネットリサーチを支える質量豊富な登録者

発行済 2019-09-12 15:03
更新済 2019-09-12 15:21
© Reuters.  クロスマーケ Research Memo(3):ネットリサーチを支える質量豊富な登録者
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■会社概要4. リサーチ事業(1) リサーチの流れマーケティングリサーチの流れは、一般的に1)調査の背景や目的のヒアリングと調査目的を達成するための手法の整理、2)調査票の企画・設計のサポートと調査票の目的の確認、3)品質追求を目的にした各工程における実査、4)的確なプランニングと集計分析、5)調査結果を詳細に分析するレポート、6)解決のためのアクションを導くディスカッション——という流れになっている。

なかでもネットリサーチは、クロス・マーケティンググループ (T:3675)の場合、具体的に以下のような流れになる(フルラインの場合)。

まず、1)顧客から調査依頼を受け企画内容に沿ったアンケートプログラムを開発してアンケートサーバー上に設置する。

その後本調査に入るが、2)回答してもらいたい登録モニターを抽出するため事前にスクリーニングし、3)関連会社の(株)リサーチパネルにアンケート告知のメール配信を依頼、リサーチパネルは登録モニターに告知して登録モニターからアンケート回答者を募る。

4)アンケートに回答した登録モニターに謝礼(運営会社のポイントなど)をリサーチパネル経由で支払い、必要サンプル数が集まった時点でアンケートを締め切る。

5)その後、論理矛盾や不正な回答を削除するためシステム・チェックや専任担当者による目視チェックでデータクリーニングを行う。

本調査後は、6)調査結果を集計して顧客に納品するが、顧客の依頼によって各種統計分析レポートを作成することも多い。

最後に、7)リサーチパネルに対して登録モニターの利用料を支払う。

(2) 登録モニターネットリサーチにとって最も重要なのが登録モニターの質と量である。

量については、同社は現在約180万人という多くのアクティブな登録モニターを抱えている。

登録モニターは、VOYAGE GROUPやクレディセゾン (T:8253)などの会員制サイトから誘導され、同社関連会社のリサーチパネルによって管理されている。

モニターの登録は、VOYAGE GROUPの場合、総合オンラインショッピングサイトであるECナビの会員に対し、リサーチパネルに登録するよう勧誘する。

また、クレディセゾンの場合、セゾン会員の中でアンケート参加希望者について、リサーチパネルが運営する「永久不滅リサーチ」の登録モニターとして利用する契約を締結する。

ほかにも、ネットリサーチ他社と登録モニターを相互に利用するネットワークを構築している。

そのアクティブな登録モニターは320万人に上るため、同社の利用可能なアクティブ登録モニターは合計で約500万人となり、量の確保は十分できていると言うことができる。

質については、データの信頼性を確保するため、リサーチパネルが毎年会員登録情報を更新し、登録モニターの基本属性を常に最新の状態に保っている。

また、登録モニター各人の調査回答内容をチェックし、悪質な不正回答者を登録抹消するなど登録モニターの品質管理も徹底している。

さらに、所有消費財や資産などによって特定条件の登録モニターをあらかじめ抽出し、自動車保有や携帯電話保有、資産保有などによってモニターをカテゴライズして分類・管理している。

このため、条件設定を調査の都度行わなくても、精度の高い効率的な調査が可能となっている。

特に業界黎明期に多かったネットリサーチへの不信は、同社の場合、こうした対策の積み重ねによって今ではほとんど解消しており、質の確保も十分できていると言うことができる。

(3) ネットリサーチからマーケティングリサーチへ、海外へ以上のようなネットリサーチのノウハウやインフラを背景に、同社はネットからオフラインへと徐々に事業領域を広げてきた。

オフラインでは、会場に調査協力者を集めてアンケートやインタビューを行う定量調査、座談会形式で調査協力者にインタビューを行う定性調査といったサービスを提供している。

また、既存の調査手法にIT技術を組み合わせた調査サービスも各種提供している。

このため、食品から飲料、化粧品、医薬品、自動車、調査会社、広告・マスコミ、金融・保険、卸売・小売業、サービス業など広範な業界で実績を積み重ねてきており、消費者実態把握、コンセプトテスト、製品評価、パッケージテスト、広告効果測定、広告評価、利用実態、商圏・エリア評価、ブランド評価、顧客満足度(CS)など様々な調査テーマに対応することができる。

さらに、日本企業によるアジアなど海外への展開が急速に進展しているが、これに対して同社もアジア展開を急加速している。

2018年12月期〜2019年12月期の海外事業は、体制構築のため踊り場となってはいるが、売上高が国内リサーチの半分程度にまで拡大してきている。

マーケティングソリューションの一気通貫サービスを提供5. ITソリューション事業とその他の事業ITソリューション事業では、マーケティングから企画、開発、運用、プロモーションまで、モバイルやスマートフォン向けサービスに必要なあらゆる機能をワンストップで提供している。

具体的には、Webサイトの構築、スマートフォンアプリの開発、各種ツール・パッケージの提供、調査・分析、インフラ・サーバ構築、Webプロモーション、セキュリティ対策、運用アウトソーシングなどである。

同社は、金融機関向けアプリや決済・ポイント管理といった堅牢性が求められるシステム、会員数100万人規模の大規模なシステムなどの構築・運用に実績がある。

また、日進月歩のモバイル機器に対して、常に最新の機能に対応したシステム開発を行っている。

さらに、主力のリサーチ事業の持つ強みを生かすことで、顧客企業のマーケティング戦略のPDCAサイクルを円滑に回し、より大きな成果につなげることができる。

その他の事業では、プロモーション事業を行う(株)ディーアンドエムを中心にマーケティング支援に関わるサービスを提供している。

こうしたITソリューション事業とプロモーション事業がリサーチ事業と融合することで、同社はマーケティングソリューション・サービスを一気通貫して提供することができるのである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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