[ロンドン 24日 ロイター] - スイスの銀行大手UBS (S:UBSG)とキャンプデン・ウェルス・リサーチの調査によると、ファミリーオフィス(資産家一族の資産管理を目的に設立された組織)は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭などを警戒し、今年に入り現金の保有比率を高めた。
調査は、360のファミリーオフィスを対象に実施。年初から現金比率を高めたファミリーオフィスは42%に達した。現金の割合は7.6%で、前年から70ベーシスポイント(bp)上昇した。
来年までの景気後退(リセッション)入りを見込む向きは55%だった。EU離脱が英国にマイナスの影響を及ぼすとの回答は63%。ポピュリズム(大衆迎合主義)の勢いが来年まで衰えないとの見方は、84%に達した。
UBSのグローバル・ファミリオー・オフィス・グループの代表、サラ・フェラーリ氏は、ファミリーオフィスは地政学的な問題について、暗い見通しを持っていると説明した。
気候変動が世界にとって最も深刻な問題だとの回答は、53%だった。
フェラーリ氏は、ファミリーオフィスの見方が、年金基金や保険会社などの機関投資家の見方と必ずしも異なっているわけではないと話す。
しかし、資産運用で機関投資家よりも柔軟度が高く、特定のベンチマーク指数に縛られることが少ないと指摘し、非流動資産に長期投資することが多いと説明した。