[3日 ロイター] - 香港株式市場は上昇。1週間ぶりの高値をつけた。香港が非常事態法を発令して、集会でのフェイスマスク着用を禁止する可能性があるとの地元報道が好感された。
フェイスマスクの着用禁止は反政府デモの鎮静化が狙い。多くのデモ参加者は、身元を隠すためや催涙ガスから身を守るため、フェイスマスクを着用している。
GEOセキュリティーズのフランシス・ルン最高経営責任者(CEO)は「フェイスマスクの着用して逮捕される恐れがあるなら、誰がデモに参加するだろう」と指摘。
UOBケイヒアンのエグゼクティブディレクター、スティーブン・リョン氏は「香港経済・市場への悲観論で売りが出ていたが、良い方向に向かう可能性があるとの見方でショートスクイーズが起きた」と述べた。
この日の香港株式市場は、貿易摩擦への懸念を背景にほぼ終日、前日比マイナス圏で推移していたが、ハンセン指数 (HSI)は、報道を受け0600GMT(日本時間午後3時)直後に300ポイント以上上昇。この日の下げをすべて取り戻した。
同指数は一時0.6%上昇し、9月24日以来の高値をつけた。
GEOセキュリティーズのルン氏は、市場の楽観ムードが続くかは「法案が可決されるかどうか、市民が法律に抵抗するかどうか」に左右されるとの見方を示した。
8月の香港の小売売上高は、前年比で過去最大の落ち込みを記録。香港経済は抗議デモや米中貿易戦争を背景に10年ぶりに景気後退に突入するとみられている。
中国株式市場は国慶節の連休で7日まで休場。
シドニー株式市場は大幅続落し、時価総額が約440億豪ドル(約295億2000万ドル)減少した。米国が欧州連合(EU)からの輸入品に対する報復関税措置を発表したことや低調な米指標を受けて、世界的な成長減速懸念が強まった。
米国は2日、年間75億ドル相当のEU製品に報復関税を発動すると表明。米欧貿易戦争が勃発するとの懸念が生じた。
さらに、米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が2日発表した9月の全米雇用報告と、米サプライ管理協会(ISM)が1日発表した9月の米製造業景況指数は、いずれも弱い内容だった。
世界経済の現状をめぐる懸念を背景に、シドニー市場では幅広い銘柄が売られ、安全資産買いが入った産金株だけが逆行高だった。
S&P/ASX200指数を構成する200銘柄中15銘柄のみが上昇した。金融株が下落を主導した。
4大銀行株は下落率上位で、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB) (AX:NAB)は3.5%安、他の3行は2.4─2.8%安。
原油や商品相場が軟調を続けているため、エネルギー株や鉱業株も下落。BHPグループ (AX:BHP)は3.2%安、リオ・ティント (AX:RIO)は4.2%安。
ソウル株式市場は祝日のため休場。取引は4日に再開される。
(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191003T095958+0000