[ディアボーン(米ミシガン州) 23日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーター (N:F)が23日発表した第3・四半期決算は、世界各地での事業再編の費用がかさみ、大幅減益となった。ワランティー(自動車保証)・インセンティブ(販売奨励)コストの増加や、予想を下回る中国販売を背景に、通年の営業利益見通しも引き下げた。
利益見通し引き下げを受け、同社株は引け後の時間外取引で、3.4%下落した。
ハケット最高経営責任者(CEO)は電話会見で、フォードは第3・四半期に予想以上の「逆風にさらされた」と指摘。ワランティーコストに言及したが、詳細には触れなかった。
CEOは「この結果、今年の調整後の支払利息・税金控除前利益(EBIT)は予想していたようには増えない見込みだ」と続けた。
同社は、第3・四半期に世界での再編費用15億ドルを計上した。このうち8億ドルはインドでのマヒンドラ・アンド・マヒンドラ (NS:MAHN)との合弁会社設立に関連した費用。
同社はコスト削減に加え、中国や欧州など主要海外市場での販売車種の見直しに取り組んでいる。世界での再編費用は総額110億ドルを見込んでいるが、23日時点で、これまでに計上した再編費用は33億ドルにとどまっている。
第3・四半期の純利益は4億2500万ドル(1株当たり0.11ドル)。前年同期は9億9100万ドル(同0.25ドル)だった。
特別項目を除いた1株利益は0.34ドルで、リフィニティブのIBESデータによるアナリスト予想(0.26ドル)を上回った。
売上高は2%減の370億ドル。こちらも予想の339億8000万ドルを上回った。
通年の調整後営業利益は65億─70億ドルになる見通しとし、7月時点の見通し(70億─75億ドル)から下方修正した。2018年実績は70億ドル。
通年の調整後1株利益見通しは1.20─1.32ドル。従来予想のレンジ上限は1.35ドルだった。アナリストは1.26ドルを見込んでいる。
第3・四半期の北米の営業利益は20億ドル強。米国の販売台数は4.9%減少したものの、ピックアップトラックの販売は強い需要を背景に9%増加した。
中国の売上高は約3億ドル減少して9億ドルとなった。市場シェアは前年の2.9%から2.3%に低下した。
中国自動車販売は前年比30%減少。フォードの中国事業は2017年終盤に低迷し始めて以降、苦戦が続いている。[nL3N26W2BP] OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191023T224852+0000