[香港/ロンドン 30日 ロイター] - 英大手銀行スタンダード・チャータード(スタンチャート) (L:STAN)が発表した第3・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比16%増の12億4000万ドルだった。法人およびプライベート・バンキング部門の収入増に支えられた。
同行がまとめたアナリスト予想平均は10億ドル、前年同期は10億7000万ドル。
同行は現在の3カ年計画で、7億ドルのコスト削減と収入増でリターンと配当を2倍にする目標を掲げている。
法人・機関向け業務の収入は13%増、プライベート・バンキング部門は14%増。
中核的自己資本比率は13.5%で、引き続き13─14%の目標レンジ内だった。
ただ、米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱、金融政策の緩和サイクル、主力市場である香港の政情不安などを受け、目先の見通しは厳しい。
スタンチャートの上半期の収入の3分の1は香港が占めている。第3・四半期の香港の収入は増加としたものの、詳細は明らかにしていない。
同行は「今後も戦略を進めるが、地政学的な緊張や目先の世界経済の減速、金利低下観測による逆風が強まっている」との認識を示した。
決算発表後、同行株は軟調な香港市場で3.3%高まで上値を伸ばした。