[21日 ロイター] - CNBCは21日、米ネット証券最大手のチャールズ・シュワブ (N:SCHW)が同業のTDアメリトレード・ホールディング (O:AMTD)買収に向け協議していると報じた。
CNBCは買収額などは明らかにしていない。一方、フォックス・ビジネスは関係筋の話として買収額を260億ドルと伝えている。これは、アメリトレードの時価総額に約18%上乗せした水準。
アメリトレードの株価は取引開始前に26%超上昇し、52.54ドルをつけた。シュワブは15%高の51.79ドルを記録した。アメリトレードは16.9%高、シュワブは7.3%高で、それぞれ引けた。
両社からのコメントは得られていない。
米ネット証券業界では、取引手数料を無料にする動きが広がっており、各社の収益への圧力が高まっている。
カリフォルニア州を拠点とするロビンフッド・マーケッツなどは、手数料の無料化でシェアを急速に伸ばしている。これを受けてシュワブなどの大手もこぞって追随している。
手数料無料化により各社は、顧客の預かり資産をいかに増やすかなどに焦点を当てている。
シュワブの100億ドル超の2018年収入のうち、約半分は金利収入だった。
ロイターの試算によると、シュワブとアメリトレードを合わせた資産は約5兆ドル。
年初からの3度の米利下げにより、顧客の預かり資産運用による収益確保はこれまでほど期待できなくなる。
アルゴス・リサーチのアナリスト、スティーブン・ビガー氏は「主にスケールの問題だ。合併によりコスト面で大きな相乗効果が見込める」とコメントした。