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日本電技 Research Memo(2):計装エンジニアリング専業企業

発行済 2019-12-11 15:32
更新済 2019-12-11 15:41
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■会社概要1. 会社概要日本電技 (T:1723)は、オフィスビルを始め、ホテル、病院、工場など大型の非居住用建築物を対象に空調設備を自動制御する空調計装(ビルディングオートメーション)の分野、及び工場の組立工程の自動化などの産業計装(インダストリーオートメーション)の分野において、設計から施工、メンテナンスまでを手掛ける「計装エンジニアリング専業企業」である。

特に主力の空調計装は、自動制御機器大手であるアズビルの最大手特約店として、業界の草分け的な存在として、豊富な実績とノウハウを誇っている。

さらに、業界唯一のエンジニアリング専業企業ということも同社の特徴となっており、「計装エンジニアリング専業企業」として強みを発揮している。

なお、計装エンジニアリングによってビルや工場の空調をコントロールし省エネ化を実現するなど、建物の快適性や生産の効率化を支えることによって、同社は地球環境にも貢献しているということができ、ESGの観点からも評価できる。

計装とエンジニアリングが同社の強み2. 強みと特長「計装(Instrumentation)」とは、ビルや工場の空調や生産ラインなど各種設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって有機的に連携・機能させることである。

例えば、ビル空調計装であれば、「最少のエネルギーで快適な環境を実現する」技術と位置付けられ、温度・湿度・圧力などを計測、計測された情報を監視し、一定の環境を維持するために機器を制御しながら設備全体をコントロール、快適性や省エネ化を実現する。

計装技術は近年、省エネ化に必須の技術として注目され、最新のIT技術を用いた計測・監視システムが開発されたり、「地域冷暖房」のコア技術として利用されたりするなど進化を続けている。

一方、「エンジニアリング(engineering)」とは、部分最適に陥りがちな設備やユーティリティなどを、ユーザーにとって全体最適化する技術力を指す。

こうした「計装」と「エンジニアリング」の機能を併せ持つ企業は少なく、「計装エンジニアリング」という技術力自体が同社の強みとなっている。

計装技術の一つであるビル空調は、個別空調とセントラル空調に分けられる。

個別空調は、雑居ビルのように1室ずつエアコンを置いて管理する手法で、ダイキン工業 (T:6367)や日立製作所 (T:6501)などのメーカーが中心プレイヤーである。

セントラル空調は、ビル全体の空調を建物の特定箇所で一元管理(セントラルコントロール)する方法で、同社など空調計装企業が中心プレイヤーである。

個別空調は比較的小さなビルやホテルなどを得意とし、セントラル空調は中~大型のビルやロビーなど大空間を得意とする。

空調計装の市場規模は2,000億円と言われ、その8割をアズビルと同社を含むアズビル特約店が占めている。

このため空調計装は、事実上、アズビル製の機器が業界スタンダードとなっている。

また、アズビル特約店の中で、同社は唯一エンジニアリング部門を有する企業というポジションにある。

なお、産業計装については、工場自身や生産ラインの機器納入メーカーが対応することが多い。

同社は生産ライン等の自動化を本格的に事業化しているため、アイデア次第では、食品工場など特定の分野に注力することで、更なる成長が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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