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丸運 Research Memo(4):国際貨物は2020年3月期下期以降回復へ

発行済 2019-12-26 15:04
更新済 2019-12-26 15:21
© Reuters.  丸運 Research Memo(4):国際貨物は2020年3月期下期以降回復へ

■業績動向1. 2020年3月期第2四半期累計の業績動向丸運 (T:9067)の2020年3月期第2四半期累計(4月~9月)決算は、営業収益が前年同期比0.9%増の25,127百万円、営業利益は同18.9%減の380百万円、経常利益は同14.0%減の457百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同5.2%減の316百万円となった。

セグメント別では、主力の貨物輸送、そして石油輸送が増収となったが、国際貨物、潤滑油・化成品が減収を余儀なくされた。

利益面を見ると、貨物輸送は好調だったものの、潤滑油・化成品、石油輸送、国際貨物が減益となった。

全体としては、貨物輸送が他のマイナスを補ったと言える。

利益面で目立つのは、国際貨物の落ち込みが大きく、前年同期の148百万円の利益に対して23百万円の損失を計上した。

貨物輸送は価格改定が浸透したことが大きい。

20年以上運賃を据え置いていたものの、2018年から顧客との交渉を進め、現時点では顧客の8割ほどに浸透したという。

一方、2018年は、西日本の豪雨でJR山陽本線が約100日間ストップしたことで同社の鉄道輸送は大打撃を受け、利益ベースで40百万円強の影響が出た。

これが復調したことも増益要因となっている。

2019年も台風15号、19号が襲ったが、2018年の打撃に比べると影響は軽微だった。

さらに流通貨物では、2018年は不作で低調だったタマネギの保管が好調だった。

農産品においては、天候の影響を抑えるため、加工業務に力を注ぐ。

この分野では今後、スーパーやコンビニエンスストア関連ビジネスが拡大する方向にあり、同社では神奈川流通センターの増強を図るなど、このセグメントの巻き返しの態勢を整えている。

石油輸送と潤滑油・化成品については、石油輸送で静岡石油輸送(株)を連結子会社化したことが寄与した。

さらに、両分野ともに価格改定が浸透した。

気温が1度上下すると石油需要は0.6%変動すると言われるだけに、冬場の気温が石油輸送においてはポイントになる。

一方、国際貨物は苦戦を余儀なくされた。

背景にあるのは中国経済の減速である。

これに大きな影響を及ぼす米中通商協議の行方は今後も見逃せない。

なお、航空貨物については電子部材などの輸送の需要が減少しているが、これは全体的に航空輸送から海上輸送にシフトしていることも大きな要因となっている。

ただ、電子部材などは足元では徐々に回復の兆しが出ているということから、下期は持ち直す見通しだ。

注目ポイントとしては、電気自動車向け用途に、アルミ生産のインフラが整っていない中国向けの輸送が今後も伸びるとみられている。

利益面においては、貨物輸送をはじめとした幅広い分野において価格改定が浸透しており、これが総じて収益に貢献した。

ただ、国際貨物の取扱数量減を全体でカバーできるまでは至らず、当面はどこまで国際貨物が回復するかがカギを握ることになる。

2. 2020年3月期通期の業績予想2020年3月期の通期予想は、営業収益が前期比5.0%増の54,000百万円、営業利益が同17.6%増の1,500百万円、経常利益が同11.7%増の1,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.4%減の1,100百万円を見込んでおり、期初に想定した数値を変更していない。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは、前期に遊休資産売却を行ったことの反動による。

上期が減益となりながらも通期の増益予想を据え置きとしたが、これは上期に苦戦した国際貨物の持ち直しが見込まれる一方、これから需要期を迎える石油輸送が貢献することによる。

一方、財務体質は良好である。

上期は前期末に比べて有利子負債が増加したが、それでも2015年3月期末の6,070百万円には及ばず、5,000百万円前後のレベルとなっている。

第2四半期末現在で、自己資本比率は前期末の58.8%から57.9%とやや低下したが、高い水準をキープした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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