[サンフランシスコ 19日 ロイター] - 米アルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグルは19日遅く、英国ユーザーの個人データについて、規制の管轄を欧州連合(EU)から米国に移管する計画を確認した。
これに先立ち、ロイターは事情に詳しい関係者の話として、この計画を報じていた。
今回の計画は、英国のEU離脱に伴う措置で、取り扱いに注意が必要なデータ数千万人分の保護が弱まり、英司法当局がこれらのデータを今までよりも入手しやすくなる。
関係筋によると、グーグルは英国ユーザーに対して、規制管轄地域の変更を含めた新サービスの条件に承諾を求める方針。
グーグルは声明で「当社がデータをどのように収集・加工するか、またユーザー情報に対する法執行の要求にどう対応するかを含め、当社のサービスやプライバシーに対する方針に全く変更なない」と表明。「こうしたユーザーには、英国GDPR(一般データ保護規則)による保護が依然として適用される」と述べた。
同社の広報担当は質問に対する回答を控えている。
グーグルなど米国のハイテク企業は欧州本部をアイルランドに置いている。アイルランドはEUに加盟しており、世界で最も厳格なプライバシー保護規制の1つである「EU・GDPR」が適用されている。
関係者の話では、同社は、EUを離脱した英国が、GDPRを採用するか別の個人情報保護ルールを策定するか不透明なことから、英国ユーザーをアイルランドの管轄下から移すことを決めた。
グーグルの英国ユーザーがアイルランドにデータを保存している場合、英当局が捜査目的でデータを取得するのが難しくなる。
新たな管轄先となった米国では、最近成立した法令に基づいて英当局が米IT企業からデータを集めるのが容易になる見通し。
さらに米国は、消費者団体から要望が出ているにもかかわらず、現在も全国的なプライバシー規制が導入されておらず、主要国で最も個人情報の保護が脆弱な国の1つだ。
グーグルで国際プライバシー技術を担当していた元幹部リー・キシナー氏は、英国はEUを離脱しており、英国のアカウントをEU加盟国の管理下に置き続ける決定を下していれば驚きだっただろうとの見方を示した。
*内容を更新しました。