[シドニー 11日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空 (HK:0293)は11日、2020年上半期の業績が大幅赤字になる見込みとした上で、一段の減便を行うと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同社は3─4月の輸送能力削減幅を65%に拡大する。従来計画は40%削減としていた。
2月末時点では、30%減便したうえ運賃が前年比で大幅に下落していたにも関わらず、客席は半分しか埋まらなかったという。
パトリック・ヒーリー会長は声明で「旅行需要の顕著な減少に対応するため、旅客便の大幅削減を含めた複数の短期的な施策を取っている。それでも、2020年上半期は大幅な赤字を予想している」とした。
同社は、手元流動性200億香港ドルに加え、複数の資金調達手段を有していることから、事業継続は可能だとしている。また、全社員に対し3週間の無給休暇取得を要請するなどのコスト削減策を取っているという。
同時に発表した2019年の決算は、純利益が前年比28%減の16億9000万香港ドル(2億1800万米ドル)となった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均16億3000万香港ドルとほぼ同水準だった。
2019年下半期は、「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議デモの激化で香港への航空需要が大きく落ち込んだ。また、抗議デモに社員が参加していたとして、中国の航空当局から安全上の脅威があると警告を受けていた。