[ワシントン 9日 ロイター] - 米政府による3500億ドルの小規模企業支援プログラムを巡り、規制当局は9日までに、ノンバンクも融資に参加できるとの見解を示した。このプログラムが3日に始まってから、ノンバンクのフィンテック企業は参加が認められるよう要求していた。
プログラムを共同運営する中小企業庁(SBA)と財務省は8日午後、ノンバンク向けの申請書を公表した。
これにより、カバッジ、ペイパル (O:PYPL)、ブルーバイン、オンデック (N:ONDK)、スクエア (N:SQ)といった企業は伝統的な銀行と組むことなく直接プログラムに参加でき、小規模企業にとって選択肢が増すことになる。
9日公表された連邦準備理事会(FRB)のデータによると、過去5年で融資を受けるのに銀行を頼った小規模企業の割合は半分に満たない。比較的小規模な企業や、黒人・ヒスパニックがオーナーであるこうした企業はオンラインの金融機関を利用する傾向が強かったという。
小規模企業向け融資マーケットプレイス「Fundera」のジャレド・ヘクト最高経営責任者(CEO)は「これは重要な決定だ。スクエア、ペイパル、ブルーバインといったフィンテック企業は多くが米消費者の大規模な基盤を有している。最も重要なのはこうした貸し手はスピードが速いということだ」と述べた。
今回のプログラムは議会が打ち出した2兆3000億ドル規模の経済対策の一環として実施され、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた小規模企業が参加金融機関に政府保証融資を申し込める。人件費の補填に大部分が利用されれば返済が免除される仕組みだ。
国家経済会議(NEC)のカドロー委員長によると、9日午後の時点で、50万件の融資約1280億ドルが承認された。ただ、このうちどの程度がこれまでに小規模企業の手に渡っているのかは分かっていない。