[ウィーン 27日 ロイター] - オーストリアのブルーメル財務相は27日、2020年の同国の財政赤字が国内総生産(GDP)の10%に相当する規模に、国の債務は80%に膨らむ可能性があるとの見通しを示した。27日付のフランクフルター・アルゲマイネ紙に掲載されたインタビューで語った。ただ、具体的な数字に言及するのは時期尚早とも述べた。
同相は、新型コロナウイルス流行による雇用や企業への影響軽減のために政府が発表した380億ユーロ(410億ドル)の経済支援策について、必要であれば規模を拡大する用意があるとも発言した。
ドイツ航空最大手ルフトハンザ (DE:LHAG)傘下のオーストリア航空(AUA)に対する金融支援の見返りに、ウィーンを乗り継ぎのハブ空港として維持するなどの保証を求める方針も明らかにした。
ルフトハンザへの出資は選択肢としてあるかとの質問に対しては「現段階では何も除外しないし、早まった判断もしない」と述べた。
関係筋が先週、ロイターに明らかしたところによると、ルフトハンザは最大100億ユーロの政府支援について今週中に最終決定する。
欧州連合(EU)首脳が新型コロナ流行で打撃を受けた経済の復興を支援するために設立することで合意した1兆ユーロ規模の緊急基金については、資金は助成金ではなく貸付金として支給すべきとのオーストリアの従来の立場を確認した。イタリアなどは返済の必要がない助成金として支給すべきと主張しており、各国の意見が分かれている。