[フランクフルト/チューリヒ/ウィーン 29日 ロイター] - スイスとオーストリアの政府は共に、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化するドイツ航空最大手ルフトハンザ (DE:LHAG)を支援する意向を示した。
新型コロナを封じ込める世界的な移動制限で大半の旅客便が運休に追い込まれる中、シュポア最高経営責任者(CEO)は今月上旬、同社傘下の航空会社が事業を展開するスイスやオーストリアなどの政府に対して支援を求める意向を示した。
また、ドイツ政府に対しても支援を要請し、90億ユーロ(98億ドル)規模の救済で政府と交渉を進めている。
スイス政府はこの日、航空業界向けに19億スイスフラン(19億5000万ドル)の支援を議会に要請すると発表。ルフトハンザ傘下のスイス国際航空とエーデルワイス航空については、12億7500万フランの借入保証を求める考えを示した。
また、ルフトハンザ傘下のオーストリア航空は28日、7億6700万ユーロの支援を政府に要請したとし、大半は融資で残りは助成金になると明らかにした。
オーストリア航空の広報担当者は支援について政府と協議しているとし、スイスとオーストリアの政府が支援実施でいくつかの条件を付けていると説明した。
スイス政府は、支援金をスイス国内のインフラのみに使うことを条件としている。融資はスイス国際航空とエーデルワイス航空の株式により保証されるという。
また、オーストリアのクルツ首相は支援条件として、雇用保障に加え、ウィーン国際空港を引き続きハブ空港にすることを要請している。