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クリレスHD Research Memo(7):2021年2月期の業績予想は未定(非開示)

発行済 2020-05-19 15:17
更新済 2020-05-19 15:41
© Reuters.  クリレスHD Research Memo(7):2021年2月期の業績予想は未定(非開示)
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■新型コロナウイルス感染症の影響とその対応手元流動性の確保により事業存続を図るとともに、円滑な営業再開に向けて体制を整備していく方針。

クリエイト・レストランツ・ホールディングス (T:3387)の2021年2月期の業績予想は現時点で未定(非開示)。

1. 足元の状況について新型コロナウイルスの感染拡大及び自粛要請への対応により、一部店舗での営業時間短縮及び休業※1を実施した結果、2020年3月の既存店売上高は前期比60.6%と大きく落ち込んだ。

さらに4月に入ってからは7日に「緊急事態宣言」が7都府県に発令されると、16日には全国にも発令され、大幅な店舗休業※2を開始している。

したがって、少なくても「緊急事態宣言」が解除されるまでの期間においては、大部分の店舗で売上高が立たない一方、固定費負担(店舗家賃や社員人件費など)が重くのしかかることになる。

国や自治体による助成金(雇用調整助成金等)のほか、追加的な休業補償や家賃猶予などの動きにも注意が必要であるが、同業他社と同様、業績や財務への影響は避けられない状況と言える。

同社では、人員の圧縮、経費の最小化に努め、キャッシュ・フローを最大限意識した経営に注力する方針であり、事業存続はもちろん、円滑な営業再開に向けて、手元流動性の確保などに取り組んでいる。

※1 2020年3月末時点の総店舗数1,150店舗のうち、営業時間短縮632店舗、休業88店舗となっている。

※2 2020年4月20日時点の総店舗数1,158店舗のうち、営業時間短縮224店舗、休業863店舗となっている。

2. 主な取り組み(1) 手元流動性の確保「緊急事態宣言」の発令を受け、外出自粛による影響が長期継続するリスクも念頭に置き、十分な手元流動性を確保する方針であり、3月末の現預金残高(連結ベース)265億円に加え、約300億円の借入枠の設定も予定。

したがって、仮にグループ全店舗が長期休業した場合、毎月約30億円のキャッシュアウト(支出)が想定されるものの、まずは事業存続を優先させ、しばらくは資金繰りに懸念が生じないように財務基盤を整備していく。

(2) 店舗及び本社における取り組み顧客と従業員の安全安心を確保するための施策を強化(消毒液の設置、マスクの着用、手洗いの徹底等)するとともに、緊急事態宣言を踏まえた社会的要請及びキャッシュアウト(支出)削減の観点から、店舗の一部休業・営業時間短縮を機動的に実施していく。

また、本社においても、業務の見直しやワークシェアによる一時帰休・テレワークを励行中である。

(3) 役員報酬の返上店舗の休業等足元の状況を鑑み、役員報酬の自主返上を決定(6ヶ月間)した※。

※業務執行取締役(5名)は月額報酬の25%、執行役員(4名)は月額報酬の20%を返上。

3. 2021年2月期の業績予想2021年2月期の業績予想について同社は、新型コロナウイルス感染拡大により現時点で合理的な算定が困難であることから未定(非開示)としている。

今後、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定である。

弊社でも、外食業界全体について、休業や営業時間の短縮等による業績への大幅な影響は避けられないものと見ている。

ただ、同社の場合、事業存続に向けて手元流動性を十分に確保しているうえ、円滑な営業再開に向けた体制を整えているところ、事業ポートフォリオの分散によりリスク対応力が高いところは評価すべきポイントと言えるだろう。

さらに重要なのは、今回の新型コロナウイルスの影響が業界再編に拍車をかける可能性が想定されることから、M&Aを成長戦略の軸に掲げる同社の役割(プレゼンス)がさらに高まっていくことである。

もちろん、現在の状況がどこまで続くかによって描くシナリオにも変化が生じるため、事態終息に向けた動きや業績の推移(四半期開示等)などをしっかりとフォローしていくことが重要となるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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