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エルテス Research Memo(5):デジタルリスクへの脅威が高まるにつれて、顧客数の拡大が売上高の伸びをけん引

発行済 2020-05-20 15:05
更新済 2020-05-20 15:21
© Reuters.  エルテス Research Memo(5):デジタルリスクへの脅威が高まるにつれて、顧客数の拡大が売上高の伸びをけん引
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■エルテス (T:3967)の決算動向1. 過去の業績推移2015年2月期からの業績を振り返ると、顧客数の拡大等により順調に業績を伸ばしてきた。

特に最近では、積み上げ型の「リスクモニタリングサービス」の伸びが業績の底上げに貢献しており、安定した売上成長を続けている。

経常利益も株式上場を見据えた2015年2月期に一時的な損失を計上したものの、その後は順調に回復し、経常利益率は先行投資や上場関連費用等をこなしながら13%前後の水準にまで上昇。

連結決算に移行した2018年2月期以降は、将来の事業拡大に向けた先行投資の影響により利益水準は2期連続で低調に推移してきたが、2020年2月期は事業拡大と新サービスの一部収益化により大幅な営業増益を実現した。

財務面でも、自己資本比率は2015年10月の産業革新機構(現産業革新投資機構)等からの出資(534百万円)や2016年11月の株式上場に伴う新株発行(調達資金299百万円)により80%を超える水準で推移するとともに、「現金及び預金」残高も1,323百万円と高い水準にある(2020年2月末現在)。

同社は、強固な財務基盤と潤沢な手元流動性を生かした戦略投資やM&Aも視野に入れているもようであり、今後の動向に注意が必要である。

2. 2020年2月期決算の概要2020年2月期の連結業績は、売上高が前期比18.6%増の1,963百万円、営業利益が同378.7%増の186百万円、経常利益が同431.5%増の174百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が86百万円(前期は63百万円の損失)と計画を上回る大幅な増収増益(過去最高業績)を実現した。

顧客数及び契約数の拡大により「デジタルリスク事業」が好調に推移。

外部要因(従業員による不適切投稿などに伴うリスク認識の高まりなど)及び内部要因(社員増に伴う体制強化など)を背景として、とりわけ契約継続率の高い「リスクモニタリングサービス」の積み上げが業績の伸びをけん引した。

2019年9月に子会社化した(株)エフエーアイも上乗せ要因(約50百万円と推定)となっている。

また、「内部脅威検知サービス」についても、スポット案件の剥落による影響を受けたものの、情報セキュリティ対応や「働き方改革」などを追い風として着実に契約数を増やしているようだ。

さらに、「その他事業」が小規模ながらも大きく伸びているのは、「AIセキュリティ事業」における新サービスの開始や新規事業(デジタル相続プラットフォームの実証実験等)の一部収益化によるものである。

損益面では、販管費の一部を売上原価に振り替えた影響により原価率が上昇(販管費は減少)しているが、実態としては増収効果や業務効率化(AIの活用等)の推進により原価率は改善傾向にあり、人件費や広告宣伝費の増加、新規事業開発のための営業費用等をこなしながら大幅な営業増益を実現した。

営業利益率も9.5%(前期は2.4%)に大きく改善している。

特に、「AIセキュリティ事業」を担う連結子会社エルテスセキュリティインテリジェンスが四半期ベースで営業黒字転換※を実現したことも、収益性の改善に大きく寄与した。

※エルテスセキュリティインテリジェンスの2020年2月期第4四半期の営業利益は20百万円(前年同期は48百万円の営業赤字)と黒字化を実現している。

財務面では、総資産が「現金及び預金」等の増加により前期末比12.6%増の2,063百万円に拡大。

一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同6.0%増の1,668百万円に増加したことから、自己資本比率は80.6%(前期末は86.0%)と高い水準を維持している。

3. 2020年2月期の総括以上から、2020年2月期を総括すると、計画を上回る増収増益(過去最高業績)を実現した定量面に加え、定性面でも認知度拡大や社員増による体制強化のほか、業務提携の締結、M&Aの実現、新サービスの開発など、今後の成長に向けて大きな成果を残したと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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