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エルテス Research Memo(7):2021年2月期は増収ながら減益となる見通し

発行済 2020-05-20 15:07
更新済 2020-05-20 15:21
© Reuters.  エルテス Research Memo(7):2021年2月期は増収ながら減益となる見通し
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■エルテス (T:3967)の業績見通し1. 新型コロナウイルス感染症拡大による影響の考え方新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、短期及び中長期的な視点でプラス、マイナス両面からの考察が必要である。

まず、短期的な視点からは、「緊急事態宣言」の影響を大きく受けているイベント関連や外食企業など、一部クライアントによる業績悪化を理由とした解約(契約継続の中断)が懸念される。

ただ、足元では新型コロナウイルスに関する風評監視サービスなどへの申し込みが増えていることに加え、2020年4月17日に新型コロナウイルス感染症拡大に対する従業員感染リスク管理プラットフォーム「feve」の提供を開始すると、既に多くの問い合わせを受けているようだ。

したがって、今後の動向次第では今期業績へ大きく寄与する可能性も期待できる。

また、中長期的な視点からは、今回の「コロナショック」によって、様々な社会構造的な課題が浮き彫りになったことを契機として、セキュリティ強化や働き方改革(テレワークなど)、電子政府の進展などデジタル化の流れが一気に加速する可能性が考えられる。

そうなれば、同社にとっては大きな追い風と言えるだろう。

2. 2021年2月期の業績予想2021年2月期の連結業績について同社は、売上高を前期比6.9%増の2,100百万円、営業利益を同73.2%減の50百万円、経常利益を同71.4%減の50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同65.2%減の30百万円と増収ながら減益を見込んでいる。

売上高は、引き続き新たなリスクマネジメント需要の取り込みや地方を含めた顧客層拡大により、「デジタルリスク事業」の伸びが増収に寄与する見通しである。

ただ、増収率がやや緩やかなのは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を保守的に見ていることが理由である。

また、既述のとおり新サービス(従業員感染リスク管理プラットフォーム「feve」)などによる業績貢献についても、現時点では慎重に見ているようだ。

損益面では、AI化による効率化やコスト削減をさらに進めるものの、人材強化や広告宣伝費の積極投入、事業基盤の整備(テレワークやデジタルトランスフォーメーションの推進など)、新規事業開発など、先行費用の拡大により減益となる想定である。

特に、2022年2月期以降の成長加速を見据え、ビッグデータ解析やインターネット関連の技術投資、パートナー企業との連携を強化する方針である。

弊社でも、新型コロナウイルス感染症拡大によるマイナス要因には注意が必要であるものの、企業経営におけるリスク認識がますます高まる傾向にあるなかで、これまで積み上げてきた顧客基盤や認知度、ノウハウの蓄積などが業績の底上げに寄与すること、社内体制も整備されてきたことなどから、売上高予想の達成は十分に可能であると判断している。

特に、「コロナショック」に伴う新たなリスク対策ニーズにうまく対応していければ、業績の大幅な上振れはもちろん、同社のプレゼンスが大きく高まる効果も期待できるだろう。

一方、減益予想となっているのは将来を見据えた先行費用によるものであり、同社が成長フェーズにあることを踏まえれば、合理的な経営判断であると評価できる。

市場環境が追い風にあるなかで、人材投資はもちろん、デジタルトランスフォーメーションなどの基盤整備が同社の組織能力の向上にどのような成果を生み出していくのかに注目したい。

3. トピックス2020年4月17日付で、前出のVAAK及び位置情報特定技術に強みを有するレイ・フロンティア(株)(東京都台東区)と連携し、企業従業員の新型コロナウイルス感染リスクを検知し個別対応状況を管理するプラットフォーム「feve(フィーヴ)」の提供を開始した。

具体的には、VAAKの提供する映像解析による感染リスク検知AIと連携し、感染懸念のある従業員を可視化し特定するとともに、感染懸念のある従業員の検温には、必要に応じて安全に関する訓練を受けた警備員が駆け付け、対応支援にあたることができる。

また、感染懸念のある従業員をプラットフォーム上に登録し、対応進捗を管理できるほか、感染リスクのある従業員の行動経路については、レイ・フロンティアの保有する位置情報特定技術により把握(モバイル端末上のSDKから情報を取得)することが可能となっており、直近数日間の行動を可視化することで、接触した人間や感染源の推定にも一定の貢献が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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