[4日 ロイター] - 白人警官による黒人暴行死やその後の抗議デモを受けて、ゴールドマン・サックス (N:GS)のある社員が今週、黒人として自身が経験した人種差別などを綴ったメールを数人の同僚に送った。メールは瞬く間に社内に広がり、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)にも転送されたという。
メールを送ったのは、ゴールドマンのマネージング・ディレクター、フレデリック・ババ氏。ミネソタ州ミネアポリス市で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡し、その後全米各地で抗議デモが広がったことを受け、今月2日、自身がこれまで目の当たりにした人種差別や、実際に自分が警官から受けた人種差別的な行為などを書いたメールを一緒に働く数人の同僚に送った。
メールは多くの人に転送され、関係者によると、ゴールドマンの世界中の3万8000人の社員の大半がメールを受け取り、ソロモンCEOにも転送されたという。
ソロモンCEOはババ氏にメールを返信したというが、内容について詳細は明らかになっていない。また、ババ氏のメールはゴールドマンの社内サイトに掲載されているという。
ババ氏はメールで、社内のマネージャーは、様々な人種のジュニアレベルの社員を十分サポートしていないとも指摘。人種差別に対して行動を起こすよう訴えている。
米金融機関の間では、格差是正や人種差別解消に向けた動きが広がっている。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ) (N:BAC)は2日、格差是正を使途とした10億ドルの支援枠を設定した。
ゴールドマンも3日、人種差別解消を支援するためのファンドを設定。JPモルガン・チェース (N:JPM)やシティグループ (N:C)、ウェルズ・ファーゴ (N:WFC)のCEOらも人種差別防止に向けた発信を強めている。