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TOKAI Research Memo(9):M&Aの推進、「ABCIR+S」の実践、TLCの深化が重点施策

発行済 2020-06-05 15:09
更新済 2020-06-05 15:21
© Reuters.  TOKAI Research Memo(9):M&Aの推進、「ABCIR+S」の実践、TLCの深化が重点施策
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■今後の見通し2. 重点施策TOKAIホールディングス (T:3167)は2021年3月期の重点施策として、M&Aの推進、「ABCIR+S」の実践、TLCの深化の3つをテーマとして掲げている。

(1) M&Aの推進2018年3月期よりスタートした中期経営計画IP20では、「M&Aの推進」によるトップラインの拡大を重点戦略の1つとして掲げ、総額1,000億円の投資を視野に入れ、交渉を進めてきた。

2020年3月期までの成果としては、M&Aで9件、アライアンスで2件を成立させており、投資額としては8,629百万円を実施し、売上高で7,677百万円、営業利益で555百万円、継続取引顧客件数で350千件の上積みを実現している。

現在も26件、総額で1,029億円のM&A案件を抱え、社内での検討及び相手先との交渉を進めている状況にある。

今中期経営計画期間内で1,000億円の投資を実行できるかどうかは、市場環境や相手先との交渉状況にもよるため、流動的ではあるものの、次期中期経営計画でも引き継いでM&Aを推進していく方針となっている。

(2) 「ABCIR+S」の実践スマートフォンの普及やAI、IoTなどITの技術進化が進むなかで、同社はこれら技術を自社サービスに取り入れることで、生活関連サービスの多様化・高度化と顧客ロイヤリティの向上を進めると同時に、デジタルマーケティング技術の導入による営業の効率化、顧客維持獲得コストの低減に取り組む「ABCIR+S」戦略を打ち出している。

「ABCIR+S」とは、AI(A)、Big Data(B)、Cloud(C)、IoT(I)、Robotics(R)、Smart Phone(S)の頭文字をつなげた造語となる。

2020年3月期には、「ABCIR+S」戦略の基盤となるDMP※「D-sapiens(ディーサ)」の自社開発を完了している。

「D-sapiens」では、顧客データを一元管理し、顧客の行動履歴(Web履歴や取引履歴、問い合わせ履歴等)などをAIで分析することにより、「潜在需要の発掘」「解約予兆」といった顧客行動パターンを高精度に予測することが可能となる。

こうした予測データに基づき、顧客のニーズに合わせたサービスを適切なタイミング・手段により案内することで新規契約の獲得につなげていくほか、解約予兆のある顧客に対しては事前にアプローチすることで解約防止につなげるといった効果が期待されている。

同社の強みである「総勢1,600名の地域担当者によるFace to Faceの営業提案」に、「D-sapiens」を組み合わせることで、営業効率の向上と顧客獲得維持コストの低減が図られるものと期待される。

同社では手始めにアクア事業で、「D-sapiens」の活用を2020年4月より開始しており、ノウハウを蓄積した上で下期以降に「LIBMO」やその他のサービスでも活用していく予定にしている。

※DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)とはインターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム。

(3) TLCの深化同社はTLCをグループビジョンに掲げ、グループが提供する様々なサービスにより、顧客の快適な生活を総合的、かつきめ細やかにサポートしていくことで、顧客基盤を拡大していく方針としている。

顧客基盤の拡大を図る戦略の1つとして同社は、複数取引率の向上に取り組んでいる。

1顧客当たりに複数のサービスを提供することによって、顧客獲得維持コストの低減が図れるほか、解約率の低下にもつながるためだ。

TLC構想を掲げた2011年当時は複数取引率が7%台にとどまっていたが、2020年3月期末には18.8%まで上昇しており、2021年3月期末に20%以上の水準を目指している。

目標達成のため、従来、複数取引率が低かったCATV会社での取り組みを強化していく。

CATV会社は長野や岡山など他のグループサービスを提供していない地域もあったが、今後は格安モバイルサービス「LIBMO」などのセットプランも提供していくことで複数取引率の底上げを図る。

また、新たな取り組みとして新分野への進出も視野に入れている。

具体的には、健康・予防医療などヘルスケアサービスの提供を検討しており、2020年4月より「ヘルスケアビジネス企画室」を新設し、本格的なビジネスモデル化に着手している。

健康・予防医療に関しては、政府が2019年6月に閣議決定した「成長戦略実行計画」の中にも全世代型社会保障改革を実現するための重要施策として盛り込まれており、今後、公的資金の投入や民間企業の参入促進を図ることで国民全体の健康増進を図り、年々負担が増大する医療・介護等の社会保障費用の抑制につなげていく方針となっている。

同社が現在、事業化の検討を進めている案件としては、がん疾患と生活習慣病の2つの領域がある。

がん疾患では、遺伝子解析技術を用いて将来発症するリスクを判定したり早期発見を可能とする遺伝子検査サービスを、また、生活習慣病領域では、IoTやスマートフォンアプリなどを活用して生活習慣の課題を改善する健康増進プログラムや、認知力・筋力をスコアリング評価するための身体機能の維持・強化プログラムといったサービスを想定している。

これらサービスに関しては他社とのアライアンスにより進めていく予定で、2021年3月期中にはいずれかのサービスを発表したい考えだ。

なお、「健康経営」という観点で見れば、同社は2020年3月に経済産業省及び東京証券取引所が実施する「健康経営銘柄」に初選定されたことを発表している。

「健康経営銘柄」とは、上場会社の中から、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を評価し、1業種につき原則1企業を選定するもので、2015年から始まっており、今回で6回目となる。

また、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)~ホワイト500」に4年連続で認定されたほか、「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」についてはグループ会社が新たに1社、「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」においても新たに2社が認定となり、グループ企業の認定社数が15社となるなど、「健康経営」に積極的に取り組んでいる企業としても評価されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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