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フォーバル Research Memo(1):2020年3月期はリンクアップ連結除外の影響除くと前期比8.4%成長(1)

発行済 2020-07-14 15:11
更新済 2020-07-14 15:21
© Reuters.  フォーバル Research Memo(1):2020年3月期はリンクアップ連結除外の影響除くと前期比8.4%成長(1)
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■要約フォーバル (T:8275)は、「中小・中堅企業の利益に貢献する次世代経営コンサルタント集団」を旗印に事業展開を行う。

IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングなどを行う。

従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換した。

このビジネスモデルの転換が成功し、2020年3月期まで営業利益は12期連続の増益を達成。

情報化や経営改善、海外進出や事業承継など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。

1. 事業概要フォーバルビジネスグループが事業の柱である。

同事業グループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。

同事業グループが行うコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。

主力サービスであるアイコンサービスは定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特長である。

サービス自体の粗利率が高く、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。

結果として、アイコンサービスの売上高とフォーバルビジネスグループ及び同社全体の営業利益には高い相関性がある。

2. 業績動向2020年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比13.5%減の49,731百万円、営業利益が同0.2%増の3,229百万円、経常利益が同0.5%増の3,324百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.3%減の1,067百万円となり、子会社売却の影響で減収となったが、営業・経常利益ともに増益となった。

営業利益、経常利益は12期連続の増益となる。

売上高に関しては、旧モバイルショップビジネスグループ(リンクアップ分)を除いた売上高で前期比8.4%の増収である。

特にフォーバルテレコムビジネスグループ及びフォーバルビジネスグループが増収をけん引した。

フォーバルテレコムビジネスグループでは、光回線サービスやISPの販売が順調に拡大。

フォーバルビジネスグループでは、2018年10月に子会社化した(株)第一工芸社の寄与やアイコンサービスが順調に拡大した。

営業増益に関しても、フォーバルテレコムビジネスグループの貢献が大きい。

全社としては、売上総利益率が前期比5.2ポイント改善しており、(株)リンクアップ(携帯ショップビジネス)が連結除外されたことで、より収益性が高まった。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比48.3%減となったのは、フォーバルテレコムビジネスグループのISPサービスの卸先が破産手続きを開始したことにより、貸倒引当金繰入額2,244百万円の特別損失を計上したことが要因である。

2021年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明であり、合理的に算定することが困難であるため、現段階では未定としている。

同社の顧客企業は幅広い業種・業界の中小企業であり、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による顧客企業の動向を短期的な視点で見極めることは大変困難な状況にある。

また、同社では、緊急事態宣言下において、一部の従業員(約190名、全従業員の約10%)に対して休業を実施した経緯もある。

弊社では、同社の主力事業はストック型ビジネスの比率が高いため、業績への影響は軽減されると考えている。

第1四半期の出遅れを、コロナ禍が一旦落ち着く第2四半期以降の3四半期でどこまで取り戻せるかにかかっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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