[東京 1日 ロイター] - 9月の国内新車販売(軽自動車含む)は前年同月比14.3%減の46万9705台と、12カ月連続で前年同月を下回った。新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復の兆しがみられるが、そのペースは鈍化している。
国内新車販売は、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が1日に発表した速報データを足し合わせたもの。
減少幅は5月が44.9%、6月が22.9%、7月が13.7%と徐々に縮小してきた。8月は15.9%減といったん拡大したが、9月は14.3%と再び縮小に転じた。
SMBC日興証券・金融経済調査部のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は「昨年9月に消費増税前の駆け込み需要が強かった割には、今年9月は回復傾向が続いている」と指摘する。
ただ、毎月の新車販売を年率換算(SMBC日興証券の経済分析チーム試算)すると、5月の約310万台を底に、6月以降は回復しているものの、8月は488万台、9月は490万台と昨年の新車販売実績520万台には届いていない。宮前氏は「回復の勢いが落ちているのが気になる」と述べた。
9月は登録車(総排気量660cc超)が15.6%減の29万3520台と、12カ月連続で前年割れとなった。
ブランド別では、トヨタ自動車 (T:7203)(高級車ブランド「レクサス」除く)が5.6%減、日産自動車 (T:7201)が33.6%減、ホンダ (T:7267)は24.6%減だった。
軽自動車(総排気量660cc以下)は12.1%減の17万6185台で登録車同様に12カ月連続で減少した。前年同月は9月として上から2番目に多い販売台数で、その反動もあった。
ブランド別では、スズキ (T:7269)が2.8%増、日産が3.3%増、マツダ (T:7261)が1.5%増とプラスだったが、ホンダが12.8%減、ダイハツ工業は23.9%減となるなどその他はマイナスだった。
前年10月は、消費増税や大きな被害が出た台風19号の影響で水準が低かった。SMBC日興証券の宮前氏は、今年の10月が「前年同月を上回るのは間違いないと思うが、どの程度上回るかみないといけない」と話す。あまりに弱かった前年同月と比べると実力値を読み取りづらく「手放しでは喜べないかもしれない」と語る。
(白木真紀)