[東京 9日 ロイター] - JFEホールディングス (T:5411)は9日、2021年3月期(国際会計基準)の連結事業損益を従来予想の1000億円の赤字から900億円の赤字(前期は378億円の黒字)に上方修正すると発表した。自動車分野を中心とした需要回復に伴う鉄鋼の数量増が主な要因。
21年3月期の単独粗鋼生産は、従来計画の2200万トン程度から2250万トン程度に上方修正した。寺畑雅史副社長は会見で「自動車生産の持ち直しの動きが鮮明になっている」と述べた。自動車は10―12月期で前年同期並みの生産に戻っているという。ただ、欧米を中心に新型コロナウイルス感染が再拡大していることなどから「先行きは見極められない」としている。
このほか、建築や造船については、今年度内の回復は難しいとの見通しを示した。
純損益は1000億円の赤字予想(同1977億円の赤字)を据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト10人の予想の平均は930億円の赤字。
4―9月期の連結事業損益は1143億円の赤字(前年同期は490億円の黒字)、純損益は1057億円の赤字(同319億円の黒字)となった。
米大統領選挙ではバイデン前副大統領が勝利を確実なものとした。寺畑副社長は、ここ数年、米国では保護主義がまん延していたと指摘し「多国間主義に基づく自由貿易の発展・堅持してくれることを期待している」と述べた。さらには、エネルギー・環境政策、北米自動車の電動化などを注視していくとした。
*内容を追加して再送します。
(清水律子 編集:内田慎一)