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窪田製薬HD Research Memo(7):開発資金の有効活用の一環で、遺伝子治療薬の開発については一旦規模を縮小

発行済 2020-12-17 15:47
更新済 2020-12-17 16:01
© Reuters.  窪田製薬HD Research Memo(7):開発資金の有効活用の一環で、遺伝子治療薬の開発については一旦規模を縮小
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■窪田製薬ホールディングス (T:4596)の主要開発パイプラインの概要と進捗状況4. 遺伝子治療(網膜色素変性)網膜色素変性を適応症としたヒトロドプシン※1を用いた遺伝子治療については、2018年1月にSIRION Biotech(ドイツ)とアデノ随伴ウイルスベクター※2確立のための共同開発契約を締結し、同年11月よりプロモーター※3、カプシド※4、導入遺伝子(ヒトロドプシン)の最適化プロセス確立に向けた取り組みを進めている。

現在は遺伝子の導入効率や発現量の向上に向けてウイルスベクターの改良研究を重ねている段階にあるが大きな進展はなく、現在は開発資金の有効活用を進めるなかで規模を縮小しているもようだ。

今後、政府機関から補助金を獲得するか、開発資金を拠出する共同開発パートナーが現れるような状況となれば開発を再び推進していくと予想される。

※1 ヒトの網膜の杆体細胞を構成するタンパク質の一種。

光受容体(光信号を電気信号に変えて脳に伝達する)の機能を果たす。

※2 治療する細胞に治療遺伝子を導入するために利用されるウイルス。

※3 ゲノムから遺伝子の転写が行われるときの、転写開始部分として機能している領域を指す。

※4 ウイルスゲノムを取り囲むタンパク質の殻のこと。

ウイルスゲノムを核酸分解酵素などから保護し、細胞のレセプター(受容体)への吸着に関与している。

カプシドはウイルスが細胞に侵入後、細胞またはウイルス自身の酵素によって取り除かれる。

網膜色素変性は遺伝性の網膜疾患で、同社資料によると、米国及び欧州では約4,000人に1人が罹患する稀少疾患であり、患者数は世界で約150万人※と推計され、日本では厚生労働省により難病指定されている。

光の明暗を認識する杆体細胞が遺伝子変異により損傷されることで、初期症状として夜盲症や視野狭窄、視力低下などを呈し、時間経過とともに色を認識する錐体(すいたい)細胞の損傷による色覚異常や中心視力の低下が進行し、最終的には失明を来す恐れがある疾患である。

幼少期より視力低下が進行するケースでは、40歳までに失明する可能性がある。

また、網膜色素変性の発症原因となる遺伝子変異の種類は3千種類以上あると言われており、現段階で有効な治療法が確立されていないアンメット・メディカル・ニーズの強い疾患となる。

※Vaidya P, Vaidya A(2015) Retinitis Pigmentosa: Disease Encumbrance in the Eurozone. Int J Ophthalmol Clin Res 2:030同社が開発を進めている遺伝子治療法はオプトジェネティクス(光遺伝学治療)と呼ばれるもので、2016年4月に英国マンチェスター大学と、網膜変性疾患の治療を対象とする開発権並びに全世界での販売権に関する独占契約を締結し、開発をスタートした。

オプトジェネティクスとは、生存する網膜細胞のうちオン型双極細胞(視細胞から情報を受け取る細胞)をターゲットにヒトロドプシンを遺伝子導入(注射投与)することで、光感受性を持つタンパク質(ロドプシン)を発現させ、視機能を再生させる遺伝子療法となる。

同社はオプトジェネティクスの開発を進めることで、社会的失明(矯正視力0.1未満)とみなされている患者の視機能回復を目指している。

マンチェスター大学におけるマウスを使った実験によれば、オプトジェネティクスで治療したマウスが、スクリーンに投影された襲いかかろうとするフクロウの映像に対して、正常なマウスとほぼ同じ距離の回避行動的反応を示すなど、網膜が持つ視機能のうち光受容の機能が回復したであろうことが確認されている。

現在、オプトジェネティクスの開発は複数のベンチャー企業で進められている。

同社の開発する技術は、3千種類以上はあると言われている遺伝子変異の種類に依存しないこと、また、ヒト由来のロドプシンを使っているため炎症反応が最小限に抑えられ、他のタンパク質よりも高い光感度が得られることが期待されており、薬理効果や技術的な競合優位性は高いと考えられる。

同技術の開発に成功すれば、失われた視機能が回復する画期的な技術として世界的に注目を浴びることは間違いなく、今後の開発の進展に期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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