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フェローテク Research Memo(4):高水準の設備投資により有形固定資産が増加

発行済 2020-12-23 15:44
更新済 2020-12-23 16:21
© Reuters.  フェローテク Research Memo(4):高水準の設備投資により有形固定資産が増加
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■フェローテックホールディングス (T:6890)の業績動向(2) 財務状況2021年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産が97,791百万円(前期末比26,339百万円増)となった。

主に現金及び預金の増加11,171百万円、受取手形及び売掛金の増加2,701百万円、たな卸資産の増加1,858百万円による。

現金及び預金が大幅増となったのは、主に中国のウエーハ子会社の株式売却による。

固定資産は前期末比で1,340百万円増加し119,899百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加1,397百万円、無形固定資産の減少69百万円による。

その結果、資産合計は217,690百万円(同27,680百万円増)となった。

負債合計は、145,860百万円(同5,998百万円増)となったが、主に支払手形及び買掛金の減少1,160百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の増加1,390百万円、社債の減少1,284百万円、長期借入金の増加3,834百万円等による。

また純資産合計は、71,829百万円(同21,681百万円増)となったが、配当金支払いに伴う利益剰余金の減少374百万円に加えてウエーハ子会社売却による資本剰余金の増加4,643百万円、為替換算調整勘定の減少443百万円、非支配株主持分の増加17,685百万円等による。

同社では、様々な方法で資金調達を多様化し財務体質の健全化を進めている。

この結果、2021年3月期第2四半期末の有利子負債は82,515百万円(前期末比4,041百万円増)となったが、純有利子負債(=有利子負債-現金及び預金)は前期末比で7,129百万円減少した。

(3) 資金調達を多様化同社では過去数年間、中国での半導体ウエーハ事業を中心に高水準の設備投資を続けてきたものの、有利子負債が急増し、バランスシートの悪化が懸念されていた。

一方で、同社が手掛ける半導体関連や各種デバイス関連事業の成長余力は依然として大きく、この事業機会を失することなく財務バランスを確保することが同社の喫緊の課題であった。

この観点から同社では、以下のような資金調達を実行し、さらに今後も新たなスキームでの資金調達を計画している。

a) 半導体ウエーハ子会社株式の一部譲渡2020年9月、中国でウエーハ事業を行う子会社杭州中欣晶圓半導体股フン有限公司(FTHW)の株式を現地ファンド、ローカル企業、地方政府などに売却(総額約303億円、内訳は同社持分227億円、中国子会社持分76億円)した。

この譲渡のうち同社分は2021年3月期第2四半期決算に反映されているが、FTHW分は第3四半期に反映される予定となっている。

調達資金303億円は、約245億円を負債の返済、約43億円をSiC関係の投資に使う予定である。

さらに、FTHWは、同年10月末に第三者割当増資を行い約246億円の資金を調達した。

この調達資金は主に来期の設備投資に充当する予定である。

そのため、FTHWに対する同社の持株比率は29.5%まで低下するため持分法適用子会社となる見込みだが、現在、監査法人が精査中であり、同社の損益計算書や貸借対照表への影響は監査法人からの正式な結論が出てから発表される予定だ。

b) ウエーハ再生子会社の増資中国ウエーハ再生子会社上海申和熱磁電子有限公司(FTS)が増資により約63億円の資金を調達し、主に2022年3月期の設備投資に充当する予定である。

この増資の結果は2021年3月期第4四半期に反映され、同社の持株比率は41.3%に低下する見込みとなる。

ただし、詳細の連結決算への影響についても、後日発表される予定である。

c) SiC関連の子会社設立SiC関連事業をさらに強化するため中国に新規子会社を設立(資本金約137億円)した。

同社の持株比率は31.5%である。

資金使途は2022年3月期の設備投資となる予定だ。

d) 洗浄事業子会社の増資及び上場準備将来の洗浄事業の拡大を目指して、洗浄事業を行う中国子会社の安徽富楽徳科技発展股フン有限公司(FTSA)が約25億円の第三者割当増資を行った。

近い将来に中国のハイテク企業向け市場である上海証券取引所の科創板市場(スター・マーケット)へ上場することを目指す。

同社の持分は67.0%の予定としている。

2. セグメント別概況セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高28,784百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益2,177百万円(同18.8%減)、電子デバイスの売上高は7,116百万円(同1.8%増)、営業利益1,867百万円(同41.5%増)、その他は、売上高5,693百万円(同25.8%減)、営業利益344百万円(同80.6%増)となった。

主要なサブセグメントの状況は以下のとおり。

(1) 真空シール売上高は4,377百万円(前年同期比8.6%増)となった。

半導体製造装置向けや有機EL製造装置向けの受注が持ち直し、売上高が回復した。

(2) 石英製品売上高は9,122百万円(同11.4%増)と堅調であった。

半導体メーカーの稼働率が向上するなかで、浙江省常山及び江蘇省東台工場の稼働が貢献し売上高は順調に拡大した。

シリコンパーツも成膜・エッチング工程での需要が堅調に推移した。

(3) セラミックス売上高は5,682百万円(同23.4%増)となった。

成膜・エッチング装置部品の販売が順調に拡大。

半導体検査治具材料の販売も増加した。

(4) ウエーハ加工と装置部品洗浄半導体ウエーハ加工の売上高は、3,102百万円(同31.1%減)となった。

注力している8インチの本格的な需要回復がなく低調に推移した。

杭州新工場の顧客認定は進展したが、立ち上げ負担増により利益は圧迫された。

装置部品洗浄の売上高は、3,459百万円(同45.6%増)と好調に推移した。

中国半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)顧客の需要が拡大した。

(5) サーモモジュール自動車向け温調シートは低調であったが、中国を中心に5Gインフラ投資関連の通信機器向けが増加、ウェアラブル及びIoT関連の需要が拡大したことからセグメント売上高は6,814百万円(同2.5%増)となった。

パワー半導体基板はこの第2四半期では産業機器向けがやや弱含みであった。

3. 主な設備投資設備投資額(キャッシュ・フローベース)は、10,136百万円(前年同期は19,123百万円)であったが、主に12インチウエーハ、一部再生ウエーハ、各製品の能力増強等の投資を行った。

減価償却費は4,605百万円(同3,435百万円)と高水準であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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