[ロンドン 17日 ロイター] - 英政府は17日、2030年までに低炭素水素発電を5ギガワット規模にする目標に向けた戦略を公表した。政府は天然ガスを再生可能エネルギーによる電気分解で水から取り出した「グリーン」水素および天然ガス・蒸気から得られる「ブルー」水素に置き換えようとしている。
グリーン水素と異なり、ブルー水素は排出ゼロではないものの、炭素排出は捕捉・保存され、別の使い道で活用される。
政府によると、国内の水素経済の規模は30年までに9億ポンド(12億5000万ドル)となり、9000人超の雇用を生み出す見込み。50年までには10万人まで雇用が拡大し、最大130億ポンド規模となる可能性があるという。
戦略の一環として、再生可能エネルギー投資を促す差額決済契約(CfD)制度に沿う形でコストダウンを図る水素プロジェクトを巡り、政府は支援の形態に関する意見聴取を開始した。
また、ネットワーク・貯蔵インフラ向けで必要な支援も見直すほか、来年初めには企業がサプライチェーン機会を確保できるよう支援するため行動計画を打ち出す。
さらに、低炭素水素プラントの商業開発支援に向け、2億4000万ポンド規模のネットゼロ水素基金の設計にも取り組む。