■事業内容
5. 非エネルギー及び海外事業
シナネンホールディングス (T:8132)はエネルギー以外にも、ビジネスや人々の生活を豊かにする事業を多角的に展開している。
(1) 自転車事業
シナネンサイクル(株)が展開している。
国内トップクラスの自転車輸入商社として、安価で高品質な自転車や「DAHON」など海外有名ブランドの自転車を輸入販売しているほか、法人向けにOEM自転車の開発も行っている。
また、卸売ばかりでなく小売にも進出しており、サイクルプラザ「ダイシャリン」は関東・東北に36店舗(2021年6月末現在)を有している。
(2) シェアサイクル事業
シナネンモビリティPLUS(株)が運営している。
ソフトバンクグループ (T:9984)のOpen Street(株)が提供するシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を活用し、首都圏を中心に自治体やコンビニエンスストアと提携、シェアサイクル「ダイチャリ」を展開している。
後述するように、ステーション数や自転車保有台数で国内トップクラスの運営実績を誇るなど、急進展している事業である。
(3) 環境・リサイクル事業
シナネンエコワーク(株)が事業運営している。
千葉市と埼玉県白岡市にリサイクルセンターを有し、廃木材(木くず)から発電用や建材用の木質チップをリサイクル製造しているほか、廃プラスチックや紙くずなどからRPF※を供給している。
※RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel):リサイクルが難しい古紙や廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料。
(4) 抗菌事業
(株)シナネンゼオミックが展開している。
世界初の銀系無機抗菌剤「ゼオミック」のほか、消臭・吸着剤「ダッシュライト」、ハイブリッド防カビ剤「エッセンガード」などを製造販売している。
優れた抗菌効果や高い安全性、樹脂・繊維・塗料など用途の幅広さといった特徴から、日用品メーカー、繊維製品メーカーなど国内外のビッグビジネスからも高い評価を得ている。
無機系抗菌剤では業界2位。
コロナ禍の影響で、2021年3月期以降、需要が急増している。
(5) システム事業
(株)ミノスが運営している。
LPガスに欠かせない基幹業務システムや口座振替収納代行サービス、集中監視システムなどを開発、外販も行っている。
電力自由化に対応してクラウド型の「電力CIS(顧客情報管理システム)」の提供も開始した。
(6) 建物維持管理事業
タカラビルメン(株)を中心に、建物の維持・管理・運営から清掃、警備、各種工事までを行っている。
オフィスビル・工場・病院・ショッピングセンターなど、建物用途に合わせた幅広いサービスをワンストップで提供している。
病院運営サービス、斎場運営サービスといったファシリティマネジメントの分野に強みを持ち、直近は、新型コロナウイルス感染症の消毒清掃で注目を集めている。
ほかに、(株)インデスがアパート・マンションの管理人派遣、清掃、設備メンテナンスから原状回復工事に至るサービスを展開している。
全国をネットワークする販売網と販売店の信頼に強み
6. 同社の強みとチャンス
このように同社は、3つの事業を展開することで収益力の向上と収益源の多角化を進めている。
いずれの事業も改善余地は大きいものの、成熟した業界環境を考えると容易に達成できるとも言いづらい。
しかし、同社が自社の強みを生かし正しい戦略を展開すれば、遠からず収益向上や多角化に目途を立てることは可能と考える。
その同社の強みは、LPガス充填基地やオイルスクエア、販売店のネットワークにある。
同社のLPガス充填基地やオイルスクエアは全国にあるため、販売店からのリーチが短くサービスも厚くでき、そのため販売店との結びつきは強くなり、販売店から同社への信頼も厚くなるという構図になっている。
また、強みと言うよりチャンスというべきかもしれないが、LPガスの販売店は全国に2万社あり、近年、経営者の高齢化などにより集約化が進み始めている。
同社は、こうした販売店の営業権を買収することも戦略の1つとしており、消費者との直接的な接点を増やすことでエネルギー事業のシェアを拡大する考えである。
現状、同社のエネルギー事業は、石油事業もLPガス事業も利益額が大きく、安定的な利益を出すことができる。
こうした状況下で、強みを活かし、次に述べる戦略を着実に展開することができれば、石油事業の収益改善、及び石油依存からの脱却と新たな成長を、同時に進めることができると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
5. 非エネルギー及び海外事業
シナネンホールディングス (T:8132)はエネルギー以外にも、ビジネスや人々の生活を豊かにする事業を多角的に展開している。
(1) 自転車事業
シナネンサイクル(株)が展開している。
国内トップクラスの自転車輸入商社として、安価で高品質な自転車や「DAHON」など海外有名ブランドの自転車を輸入販売しているほか、法人向けにOEM自転車の開発も行っている。
また、卸売ばかりでなく小売にも進出しており、サイクルプラザ「ダイシャリン」は関東・東北に36店舗(2021年6月末現在)を有している。
(2) シェアサイクル事業
シナネンモビリティPLUS(株)が運営している。
ソフトバンクグループ (T:9984)のOpen Street(株)が提供するシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を活用し、首都圏を中心に自治体やコンビニエンスストアと提携、シェアサイクル「ダイチャリ」を展開している。
後述するように、ステーション数や自転車保有台数で国内トップクラスの運営実績を誇るなど、急進展している事業である。
(3) 環境・リサイクル事業
シナネンエコワーク(株)が事業運営している。
千葉市と埼玉県白岡市にリサイクルセンターを有し、廃木材(木くず)から発電用や建材用の木質チップをリサイクル製造しているほか、廃プラスチックや紙くずなどからRPF※を供給している。
※RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel):リサイクルが難しい古紙や廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料。
(4) 抗菌事業
(株)シナネンゼオミックが展開している。
世界初の銀系無機抗菌剤「ゼオミック」のほか、消臭・吸着剤「ダッシュライト」、ハイブリッド防カビ剤「エッセンガード」などを製造販売している。
優れた抗菌効果や高い安全性、樹脂・繊維・塗料など用途の幅広さといった特徴から、日用品メーカー、繊維製品メーカーなど国内外のビッグビジネスからも高い評価を得ている。
無機系抗菌剤では業界2位。
コロナ禍の影響で、2021年3月期以降、需要が急増している。
(5) システム事業
(株)ミノスが運営している。
LPガスに欠かせない基幹業務システムや口座振替収納代行サービス、集中監視システムなどを開発、外販も行っている。
電力自由化に対応してクラウド型の「電力CIS(顧客情報管理システム)」の提供も開始した。
(6) 建物維持管理事業
タカラビルメン(株)を中心に、建物の維持・管理・運営から清掃、警備、各種工事までを行っている。
オフィスビル・工場・病院・ショッピングセンターなど、建物用途に合わせた幅広いサービスをワンストップで提供している。
病院運営サービス、斎場運営サービスといったファシリティマネジメントの分野に強みを持ち、直近は、新型コロナウイルス感染症の消毒清掃で注目を集めている。
ほかに、(株)インデスがアパート・マンションの管理人派遣、清掃、設備メンテナンスから原状回復工事に至るサービスを展開している。
全国をネットワークする販売網と販売店の信頼に強み
6. 同社の強みとチャンス
このように同社は、3つの事業を展開することで収益力の向上と収益源の多角化を進めている。
いずれの事業も改善余地は大きいものの、成熟した業界環境を考えると容易に達成できるとも言いづらい。
しかし、同社が自社の強みを生かし正しい戦略を展開すれば、遠からず収益向上や多角化に目途を立てることは可能と考える。
その同社の強みは、LPガス充填基地やオイルスクエア、販売店のネットワークにある。
同社のLPガス充填基地やオイルスクエアは全国にあるため、販売店からのリーチが短くサービスも厚くでき、そのため販売店との結びつきは強くなり、販売店から同社への信頼も厚くなるという構図になっている。
また、強みと言うよりチャンスというべきかもしれないが、LPガスの販売店は全国に2万社あり、近年、経営者の高齢化などにより集約化が進み始めている。
同社は、こうした販売店の営業権を買収することも戦略の1つとしており、消費者との直接的な接点を増やすことでエネルギー事業のシェアを拡大する考えである。
現状、同社のエネルギー事業は、石油事業もLPガス事業も利益額が大きく、安定的な利益を出すことができる。
こうした状況下で、強みを活かし、次に述べる戦略を着実に展開することができれば、石油事業の収益改善、及び石油依存からの脱却と新たな成長を、同時に進めることができると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)