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ハウスコム Research Memo(5):営業・マーケティング・IT活用の革新性光る

発行済 2021-12-08 15:05
更新済 2021-12-08 15:15
© Reuters.
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■中長期の成長戦略

1. 新成長戦略に基づく柔軟な事業戦略
ハウスコム (T:3275)は2021年5月に新成長戦略の概要について発表した。
新しい事業ポートフォリオへの転換と成長の加速に向けて、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4施策を推し進める。


「事業領域拡大による収益構造の転換」においては、同社の強みを活かして事業のすそ野を広げていくことを企図しているという。
例えば、同社の強みとして自主管理家主との強いパイプの存在が挙げられる。
賃貸不動産市場には管理会社に委託せずに自ら所有物件を管理する自主管理家主は多くいるが、同社はそうした自主管理家主の物件に入居者を紹介することも得意としており、年間1万7千件以上(過去3年平均)の仲介実績を持っている。
こうした自主管理家主との接点・関係を築いているところに、後述の「スマートシステムPLUS」サービス等を提供することで新たな収入の柱を築いていく予定だという。
このような新しい収入源はリカーリング(継続収入)モデルであり、これまで仲介というスポット収入中心だった同社の収益構造を変えていき、安定収入による底上げに結び付けることを狙っている。


「既存事業分野の競争力強化等」については、直近で各地域の需要動向に合わせた経営資源の再配置を進めている。
具体的には、賃貸仲介店舗の出店・退店・統合を進めたほか、底堅い法人需要(社宅扱いの賃貸契約)確保に向け、東京・名古屋・大阪を連動させた法人営業部門を整備した。


規模の拡大はもちろん、市場動向に合わせて営業網や組織構造を柔軟にアレンジできる点は従来からの同社の強みの1つであり、これら施策も本質的な営業力・収益性を押し上げていると弊社は考察する。


2. 賃貸不動産DXの取り組み
同社は世の中のDXが加速し、デジタル・ディスラプター(デジタルテクノロジーを活用することで、既存の業界の秩序やビジネスモデルを破壊するプレイヤー)の影響による消費者行動の変化など、5年後を見据えた想定をしている。
具体的には、「業界の壁が崩壊」「体験が軸になる」「データを制する者が未来を制す」といった風潮である。


この想定のもと、同社は社内の業務面や対顧客、対同業他社と、幅広い領域でデジタル化を進めている。
社内では、基幹システムの刷新などを背景に業務効率が大幅に改善しており、接客時間の短縮などを背景に店舗当たりの生産性は向上している。
また、直近ではグループ会社のハウスコムテクノロジーズ(株)が、不動産テックに特化した業界垂直統合SaaS「いえらぶ CLOUD」を提供する(株)いえらぶGROUP傘下の(株)ピーシーコネクトと業務提携契約を締結した。
ハウスコムテクノロジーズは不動産に関する情報・データを取り扱う不動産テック企業で、間取り作成代行サービスなどを提供している。
一方でピーシーコネクトは、「間取りクラウド」などの間取りソフトを中心とした不動産ソフトの販売などを手掛けている。
同提携のもと、ハウスコムテクノロジーズが間取り作成代行サービス利用者に「間取りクラウド」を、ピーシーコネクトがソフトウェアユーザーに間取り作成代行サービスを相互に斡旋することで、事業領域の拡大を図る。


同社はこのようにIT活用に積極的で、足元の取り組みはもちろん今後の新たな展開の可能性も考慮すると、サービスの利便性、営業面での生産性、事務面での効率性など多くの点で生産性の改善が継続すると弊社は考える。


3. 先進的な営業施策
同社は足元で新たな営業施策を複数打ち出している。
同社は10月、初期費用と賃料を利用者が自由に設定できる新サービス「スマートレント」の提供を開始した。
ここ数年増加傾向にある「引越し時の初期費用を抑えたい」という入居者ニーズに応える。
第一段階としてオーナーや管理会社から物件を同社が賃借し、その後入居者に対して初期費用額や賃料を自由に設定できるメニューを提案する取り組みである。
これにより、入居者は完全初期費用0円で部屋を借りることも可能となる。


通常、賃貸物件を借りる際の初期費用は平均して賃料の5~6ヶ月分かかる。
この大きな支出によって引越しを控える引越し予備軍が潜在的に存在しており、サービス開始後の反響は大きく、問い合わせ件数は月間で70件にまで上っている。
現状、同サービスについては受入れ態勢のキャパシティーがまだ不十分であるため大々的な広告は行っていないものの、広告・販促を通じた認知度向上に伴うポテンシャルは高いと見られる。
開始1年後にはスマートレント経由の賃貸契約数について月間1,000件を目指している。


スマートレントについては現在特許出願中であり、同サービスは同社の優れた企画力を表す商材の1つと言える。
また、上記のとおりこのスキームは同社がまず物件を借りることからスタートするものであるが、これは高い財務安全性が前提となっており、総じて同社の強みが反映されたサービスであると弊社は評価する。


本年12月には、自主管理家主向けの新サービス商品「スマートシステムPLUS」をリリースした。
WEB上から簡単に自主管理に必要な商材・サービスを発注できる仕組みであり、定期清掃・特別清掃等のメンテナンス業務、空室対策商材などがメニューに入っている。
2020年7月にリリースされた「スマートシステム」ではスマート内見を活用した空室募集から滞納保証・入居者サービス等が提供されていたが、「スマートシステムPLUS」により一層幅広く家主のニーズに対応できるという。
こうした新サービスを開発・提供することで、新しいリカーリングモデルの収入の柱が育つとともに、同社の自主管理家主とのつながりがより強くなり得るであろう。


また、同社は「従業員」を軸とした新たなマーケティング施策も打ち出している。
子会社の宅都は新コーポレートサイト「宅都のおせっかい」を開設した。
同サイトは、宅都のスタッフが街を隅々までリサーチし、ブログのようなイメージで写真と共に随時情報を掲載することで、潜在顧客にアピールするものである。
顧客の注目は、物件はもちろん、その街での生活や情報を掲載した各従業員にも向かっており、従業員名指しでの問い合わせも多く来ている状況である。
「街」「従業員」といった切り口も追加された先進的かつ独自性の高いマーケティングであり、営業面における大きな差別化要素に今後なり得ると弊社は考える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)

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