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三栄コーポ Research Memo(4):2022年3月期第2四半期は2ケタ増収。販管費削減で収益が大幅改善

発行済 2021-12-21 16:04
更新済 2021-12-21 16:15
8119
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■業績動向

1. 2022年3月期第2四半期の業績概要
三栄コーポレーション (T:8119)の2022年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が16,279百万円(前年同期比14.0%増)、営業損失が358百万円(前年同期は810百万円の損失)、経常損失が242百万円(同751百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が375百万円(同794百万円の損失)となった。
期初の上期予想を上回り、順調に折り返した。
第2四半期単独では、第1四半期比で営業損失が縮小しており、コロナ禍の影響から回復基調にあることが分かる。


売上高に関しては、家具家庭用品事業セグメントが前年同期比で3,029百万円増となり増収をけん引した。
海外における経済活動の一早い回復や、国内における巣ごもり需要を背景に、OEM事業の受注状況が改善したこと、そして同社が注力する家具・インテリアのネットショップ「MINT」などが伸長したことが主要因である。
服飾雑貨事業では、OEM事業及びブランド事業は旅行や外出の自粛傾向からトラベル商材等が落ち込み、減収となった。
家電事業では、巣ごもり需要を背景に調理家電は堅調に推移したものの、理美容家電の需要落ち込みなどもあり、減収となった。


全社的な傾向として、巣ごもり需要関連商品は好調、外出関連商品(旅行・美容など)は苦戦、と明暗が分かれた。
前年同期は緊急事態宣言の発出により小売業が完全休業となる時期があったが、2022年3月期は緊急事態宣言下であっても時短営業にとどまったことも増収につながった。


その結果、売上総利益は、原材料価格の上昇により前年同期比4.1%増の4,142百万円となり、売上高総利益率は同2.5ポイント減の25.4%となった。
販管費はブランド事業での店舗集約等が進みコストが削減したことで、同6.0%減の4,501百万円となった。
結果として営業損失は358百万円となったが、前年同期比では451百万円増加となった。
また、2022年3月期第1四半期単独の営業損失が256百万円、2022年3月期第2四半期単独の営業損失が101百万円と、損失の縮小も見られ、収益性の着実な改善傾向が確認できた。



コロナ禍の影響で事業環境は逆風も、過去からの資本蓄積により財務の健全性を維持。
自己資本比率は50%超
2. 財務状況と経営指標
2021年9月期末の総資産は前期末比2,866百万円減の21,188百万円となった。
うち流動資産は2,604百万円減少の15,101百万円となった。
主な要因は、現金及び預金の減少1,937百万円及び受取手形及び売掛金、契約資産の減少421百万円である。
商品及び製品は176百万円減であり、コントロールされている。
固定資産は261百万円減の6,086百万円であり、主な要因は投資その他の資産の136百万円減である。


負債合計は2,603百万円減の10,100百万円となった。
そのうち流動負債は2,697百万円減であり、主な要因は、短期借入金の1,250百万円減である。
固定負債は93百万円増と大きな変化はなかった。
有利子負債残高は5,850百万円(前期末は7,100百万円)となった。
現金及び預金残高が4,309百万円であり、相対的に有利子負債が過大ではないことがわかる。
純資産合計は262百万円減の11,088百万円となった。


2021年9月期末の経営指標では、流動比率が254.3%、自己資本比率が51.8%と安全性が高く、健全である。
コロナ禍の影響で事業環境は逆風のなかにあるが過去からの資本が蓄積されており、財務の健全性を維持している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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