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日本電技 Research Memo(3):主軸は空調計装、成長ドライバーは産業システム

発行済 2021-12-27 15:03
更新済 2021-12-27 15:15
© Reuters.
1723
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■事業内容

1. 事業内容
日本電技 (T:1723)の事業は空調計装関連事業と産業システム関連事業に大別され、2022年3月期第2四半期の売上高構成比はそれぞれ88.2%、11.8%となっている。
空調計装関連事業は、建物の建設時に空調計装工事を行う新設工事と、既設建物のメンテナンスやリニューアル工事を行う既設工事に分けることができる。
空調計装の新設工事はサブコンから受注することが多く、既設工事はビルオーナーなどと直接契約して同社が元請になることが多い(このため収益性が高い)。
産業システム関連事業は、工場の生産ラインや搬送ラインなどをつなぐ計装から産業用ロボットの販売・制御などへと事業領域を拡大している。
また、産業システム関連事業においては、システム開発力を強化しており、AIやIoT、クラウドといった最新技術も鋭意取り込むことで、「計装エンジニアリング」企業として付加価値の高い新たなサービスの提供を目指している。


なお、現在、新築ビルが続々建てられる時代ではなくなってきているため、空調計装のマーケットは大きく広がらないと見られており、競合が激化している。
一方産業システムは、デジタル化が追い風となってマーケットが大きく広がると予測されている。
このように産業システムの開拓余地が大きいことから、同社は事業部制を導入し、独自の事業展開によって成長に弾みをつけようとしている。



建物の空調自動制御システムをプロデュース
2. 空調計装関連事業
空調計装関連事業では、熱源制御、空調制御、動力制御、中央監視装置などによって、非居住用建築物の空調自動制御システムをトータルでプロデュースしている。
最適な自動制御システムにより快適な空間を実現し、また、設備・機器の更新提案や建物のエネルギー管理のサポート、省エネ化提案などを行うことで、顧客の建物資産の保全やライフサイクルコストの低減を支援している。
空調計装関連事業は、ビルシステム事業とソリューション事業に分けられる。
ビルシステム事業は同社の主軸であり、建物の建築時に導入される空調・給排水衛生設備などのシステム設計から施工、引き渡し前の試運転・調整、引き渡し時の取扱説明までをワンストップで行っている。
また、建物が完成した後も、納入した設備・機器の保守や保全に携わり、エネルギー使用状況などの管理・分析や省エネ化を目的とした設備改修・更新などを提案することで、継続的な支援を行っている。
ソリューション事業では、空調計装関連事業(既設)の施主などと直接取引・契約をし、省エネ化など様々な課題に対し計装技術を用いて解決を図っている。


広がるマーケットで成長加速するため独自戦略
3. 産業システム関連事業
産業システム関連事業では、「計装エンジニアリング」技術を背景に、小規模工場から大規模工場まで、生産プロセス(生産工程)や搬送、工場全体を自動制御するシステムを提供している。
具体的には、電気計装工事のほか特殊仕様のユーティリティ設備(冷温水、蒸気、圧縮空気等)などにおける自動化・省エネ化、安全性の確保や仕分け作業の精度向上・効率性向上などのサポート、工場などで排出される廃温水や廃熱などの有効活用による環境負荷の低減や省エネ化と運用コストの削減、箱詰め・検査・組み立て・荷捌といった人手のかかる工程におけるロボットの活用などによる生産性の向上や人材不足の解消、人が介在しないことによる安心・安全(フードディフェンス)の確保——など、食品や医薬品などの製造現場がそれぞれに抱える様々な課題に応えることで、顧客のバリューチェーンの最適化を図っている。
また、産業システム関連事業では、広がるマーケットで成長を加速するため、事業部制導入に引き続き、ブランドサイトの開設や展示会への事業部単独出展など独自の戦略展開を強めている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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