[ロンドン 10日 ロイター] - 仏大手銀行クレディ・アグリコルは10日、2022年の利益目標を1年前倒しで達成したと発表した。21年第4・四半期決算は、不良債権関連費用が減少し、事業部門全般に収入が増加したことを受け予想を上回った。同行は25年までの新たな事業戦略を6月22日に発表すると明らかにした。
21年の調整後純利益が約54億ユーロ。22年の目標の50億ユーロを大幅に上回った。
他の目標も1年前倒しで達成。費用収益比率(CIR)は57.8%、有形株主資本利益率は13.1%。22年の目標はそれぞれ60%以下と11%以上だった。
21年の配当は1株当たり1.05ユーロを提案する。このうち0.20ユーロは19年の配当見送りの埋め合わせとしている。同行は利益の半分を株主に還元するという方針を持っているが、新型コロナウイルス危機下で銀行の配当が事実上禁止されたため19年は実施できなかった。
21年第4・四半期は、利益が14億2800万ユーロで、イタリア事業ののれん減損処理をした前年同期の1億2400万ユーロから大幅に増加した。
不良債権引当金を反映するコスト・オブ・リスクは3億2800万ユーロで比較可能なベースで前四半期から34.5%減少した。
国内および海外のリテール、債権回収、投資銀行、保険、資産運用の各部門は純利益は軒並み2桁の伸びを達成した。
総収入は58億ユーロで、前年同期から10%以上増加した。
資本市場部門は顧客の需要低迷で8%減収。債券・通貨・コモディティーで11.8%の減収だった。
資産運用子会社アムンディもアジア事業の拡大などが奏功し第4・四半期、21年通期とも増益となった。