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ナノキャリア---後期開発が順調に進捗。3Q減収なるも、成長戦略として早期収益化と革新技術の取り込みを推進

発行済 2022-02-15 09:54
更新済 2022-02-15 10:00
© Reuters.
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ナノキャリア (T:4571)は10日、2022年3月期第3四半期(21年4月-12月)決算を発表した。
売上高が前年同期比19.6%減の2.00億円、営業損失が15.04億円(前年同期は8.60億円の損失)、経常損失が14.66億円(同8.94億円の損失)、四半期純損失が14.12億円(同24.50億円の損失)となった。
今期開始した国内第III相試験など、早期収益化に向けて集中して取り組む複数の後期開発ステージが順調に進捗したことによる費用増加が要因で、計画通りの進捗としている。


後期臨床パイプラインの進捗状況について、遺伝子治療製品 VB-111は、プラチナ製剤抵抗性再発卵巣がんを対象とした国際共同第III相臨床試験(OVAL試験)に日本から参画し、同社が日本国内における臨床試験を実施し、2021年12月に国内目標症例数を達成した。
OVAL試験を主導する導入元でもあるVascular Biogenics Ltd.(以下、VBL)によると、OVAL試験は、2021年度中の目標症例登録数完了を見込んでおり、早ければ2022年後半にPFS(無増悪生存期間)の結果取得が想定されている。
また、VBLにより海外で大腸がん及び悪性脳腫瘍の一種である膠芽腫の第II相臨床試験も進められている。


セオリアファーマと共同開発中のENT103は、国内において中耳炎を対象とした第III相臨床試験を実施し、2021年9月に持続する膿性耳漏を有する中耳炎の臨床所見を有意に改善したことが確認され、主要評価項目を達成した。
2022年春ごろまでに、セオリアファーマが製造販売承認申請を実施する予定。


NC-6004(シスプラチンミセル)は、ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.と共同で頭頸部がんを対象に、NC-6004及び免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ(R)」との併用による第II相臨床試験を実施している。
欧州、台湾においてキイトルーダ(R)単剤との比較試験となる第IIb相試験を実施しており、2021年12月に目標症例数124例(ランダム化症例)を達成した。
半年から1年程度でトップラインデータを取得する予定で、本試験結果に基づいてNC-6004をライセンスアウトする計画となっている。



次世代医薬となるmRNAなどの核酸医薬の研究開発を推進し、アカデミアとの共同研究や企業との協働により新規パイプラインの拡充を推進している。
核酸医薬は、これまで狙えなかった転写因子などを標的にできることから、治療法がないなど新たな治療法が求められている領域において、新たなメカニズムを持つ治療薬の創出が期待されている。

核酸新規DDS製剤であるNC-6100(siRNA医薬)は、治癒的切除不能又は遠隔転移を有する再発・進行HER2陰性乳がんを対象に公益財団法人がん研究会有明病院において2020年9月より医師主導第I相臨床試験を実施している。

長鎖非翻訳RNA TUG1に対するASO(アンチセンスオリゴ)医薬は、脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫での臨床開発への移行を視野に入れ、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究として非臨床試験及びCMC開発を推進している。

軟骨の増殖・分化に関わる転写因子RUNX1のmRNA医薬は、膝軟骨再生医薬として開発を推進している。
2021年4月にアクセリードと共同でPrimRNAを設立し、非臨床試験の実施、GMP製造の確立及び第I相臨床試験の実施に向け、事業を推進している。


販売事業については、アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の同社技術を応用した原材料を供給している。
また、共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」事業を共同で推進している。
エイオンインターナショナルから国内販売権を取得した「Acti-PRP(血球細胞分離器)」は、産婦人科PRP研究会の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売している。


2022年3月期通期の業績予想については、売上高が前期比27.2%減の2.28億円、営業損失が18.04億円、経常損失が17.51億円、当期純損失が17.34億円とする期初計画を据え置いている。




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