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天昇電 Research Memo(5):2022年3月期は営業減益も、子会社の新規連結、米国子会社の好調が増収に寄与

発行済 2022-07-04 16:15
更新済 2022-07-04 16:45
© Reuters.
6776
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■業績動向

1. 2022年3月期の業績概要
(1) 損益状況
天昇電気工業 (TYO:6776)の2022年3月期の連結業績は、売上高19,449百万円(前期比25.0%増)、営業利益225百万円(同22.6%減)、経常利益355百万円(同19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益246百万円(同54.9%増)となった。


主たる向け先である自動車メーカーの生産・販売が、上期にコロナ禍の影響を受け、下期に入ってからは半導体不足等の影響を受けて停滞した。
この結果、同社の単体売上高は前期比0.4%増に止まったが、竜舞プラスチックの9ヶ月間の連結寄与、米国子会社の好調により連結売上高は大幅増収となった。


売上総利益率は14.8%(前期は16.7%)と1.9ポイント低下した。
主力の自動車向け製品の稼働率が低迷したこと、減価償却費が大幅増となった(1,208百万円→1,816百万円)ことが要因だ。
販管費は、竜舞プラスチックの連結化などもあり前期比14.8%増となった一方で、販管費率は前期の14.8%から13.6%へ低下した。
この結果、営業利益は前期比22.6%減となった。
しかし、償却前営業利益は2,041百万円となり、前期比36.2%増となった。
経常利益は、営業外収益で為替差益や受取補償金が前期比で増加したことなどから、前期比で増益となった。


また、特別損益については、前期に特別利益として計上した補助金収入451百万円、特別損失として計上した固定資産圧縮損439百万円が消失した。
これにより、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は経常利益を上回った。
営業利益は減益となったが、償却前営業利益は大幅増益であり、実質的には好決算だったと言えるだろう。


(2) セグメント別状況
日本成形関連事業の売上高は16,218百万円(前期比22.4%増)、セグメント損失70百万円(前期は50百万円の利益)となった。
単体ベースの売上高は前期比0.4%増に止まっていることから、増収の大部分は子会社化した竜舞プラスチックによるものと思われる。
利益面については、金型の減価償却費が増加したことにより損失となった。


中国成形関連事業の売上高は482百万円(同33.4%増)、セグメント利益は32百万円(同212.7%増)となった。
金額は比較的小さいが、増収増益となった。
アメリカ成形関連事業の売上高は2,461百万円(同48.6%増)、セグメント利益は36百万円(同70.9%増)となった。
コロナ禍の影響を受けていた家電向け等が回復した。
不動産関連事業は、売上高287百万円(同0.4%減)、セグメント利益227百万円(同8.0%減)となった。


(3) 設備投資額と減価償却費
2022年3月期の設備投資額(有形固定資産取得額)は1,821百万円(前期は1,984百万円)となり、引き続き高水準であった。
射出成形機等の生産設備への大型投資は一巡したが、金型投資が増加した。
減価償却費は1,816百万円(同1,208百万円)となった。



自己資本比率は33.1%を維持
2. 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2022年3月期末の財務状況は次のとおり。
流動資産は10,644百万円(前期末比2,773百万円増)となった。
主要科目では現金及び預金が前期末比1,112百万円増、売上債権(電子記録債権含む)が同1,341百万円増、たな卸資産が同402百万円増となったことによる。
固定資産は10,674百万円(同1,220百万円増)となった。
内訳は有形固定資産が同1,194百万円増、無形固定資産が11百万円増、投資その他の資産が同14百万円増となったことによる。
この結果、資産合計は21,318百万円(同3,994百万円増)となった。


流動負債は9,004百万円(同1,908百万円増)となった。
主な変動要因は、仕込債務(電子記録債務含む)の増加735百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の増加221百万円である。
固定負債は4,224百万円(同1,146百万円増)となった。
主に長期借入金の増加886百万円による。
純資産は8,089百万円(同939百万円増)となった。
主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加195百万円、非支配株主持分の増加628百万円による。
この結果、2022年3月期末の自己資本比率は33.1%となり、前期末の39.0%から5.9ポイント低下した。
竜舞プラスチックの新規連結により資産全体が膨らみ、その結果自己資本比率が低下した。


また2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,427百万円の収入となった。
主な収入は税金等調整前当期純利益の計上373百万円、減価償却費1,816百万円、売上債権の減少49百万円、主な支出は、たな卸資産の増加191百万円、仕入債務の減少191百万円となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,869百万円の支出となった。
主な支出は有形固定資産の取得による支出1,821百万円による。
財務活動によるキャッシュ・フローは545百万円の収入となった。
主な収入は長短借入金の増加(ネット)306百万円で、主な支出はリース債務の返済262百万円となった。
この結果、現金及び現金同等物は1,184百万円増加し、2022年3月期末の残高は4,075百万円となった。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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