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シナネンHD Research Memo(9):石油差益の低下、IT投資などにより23年3月期は微増益

発行済 2022-07-21 15:29
更新済 2022-07-21 15:45
© Reuters.
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■業績動向

3. 2023年3月期の業績見通し
中期経営計画最終年度となる2023年3月期の業績見通しについて、シナネンホールディングス (TYO:8132)は売上高310,000百万円(前期比7.1%増)、営業利益2,500百万円(同0.8%増)、経常利益2,800百万円(同14.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円(同16.6%増)を見込んでいる。


引き続きコロナ禍やウクライナ情勢による原燃料高などが日本経済の重しとなっている。
石油価格の高騰は同社マージンへの影響は大きくないが、中長期化すれば、販売価格上昇に伴う消費者の使用抑制や少エネ機器普及の加速といった間接的なリスクとなって顕在化する可能性がある。
長期的には、人口減少や省エネ機器の普及、ライフスタイルの変化などによりエネルギー需要の減少傾向が続いており、同社の主力事業である石油・ガス事業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にある。
また、世界的な脱炭素・SDGsへの意識の高まりに加えて、国内でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速するなか、エネルギーサービス企業としての責任ある対応が強く求められている。
こうした環境下、今期も、第三次経営計画の基盤固めとして、3つの定性目標を着実に進めていく計画である。
なかでも、既存事業の選択と集中や低効率資産の活用・売却による資本効率の改善、シェアサイクル事業や再生可能エネルギー事業など成長が見込まれる新規事業への戦略投資を推進する方針である。


2023年3月期の売上高は、足もと2014年以来の高値水準にある原油価格やプロパンCPを前提に、大幅に増加する予想となっている。
ボラティリティの高い状況のため、期中で急激に水準が下落する可能性もあり、その際は必要に応じて売上高予想を修正する方針である。
営業利益については、経営基盤整備に向けたIT投資や在庫利益消滅の一方、仕入価格上昇分の販売価格転嫁やシェアサイクル事業の利益貢献などにより、若干だが増益の見通しとなっている。
経常利益については、営業外損益で前期に計上したデリバティブ評価益や保険返戻金の減少などが見込まれるため減益予想となっている。
親会社株主に帰属する当期純利益については、2020年に開示している東京都品川区の土地売却に伴い21億円の特別利益が発生するため増益を予想している。


セグメント別では、BtoC事業は石油事業が在庫利益の消滅など厳しい状況だが、灯油やLPガス、住設機器などの増販でカバーして増益を見込んでいる。
BtoB事業は電力事業の増販は期待できるものの、石油事業の採算悪化で減益となりそうである。
こうした石油事業をカバーするのが、非エネルギー事業となる。


非エネルギー事業では、シェアサイクル事業が、稼働の拡大やドミナント効果、機動的な配車による効率化が進むなか、2022年4月の価格改定の効果もあって黒字化を目指す条件が揃ったといえる。
仕入れコストの上昇で苦戦していた自転車事業も、有利な為替予約に加え、5月の値上げにより黒字化する見込みとなった。
大手メーカーが6月から値上げ予定のため、同社の値上げも取引先のホームセンターなどでスムーズに通ったようだ。
また、収益化を機に、小型自転車店のFC化にも進出する意向である。
ファシリティマネジメントなど強みを背景に業容拡大中の建物維持管理事業は、タカラビルメンを軸に子会社の一部を統合する計画で、事業エリアの拡大やシナジー、スケールメリットによる収益拡大を目指す方針である。
また、中長期的にはM&Aを含め、首都圏・中京圏を中心に「総合建物メンテナンス会社」へと育成する考えである。



ROE6%以上は第三次中期経営計画での達成を期待
4. 中長期成長イメージ
現行の第二次中期経営計画は、コロナ禍の影響により進捗に遅れが生じていると思われる。
このため、第二次中期経営計画中に定量目標として掲げた持続的に「ROE6%以上」を生み出す事業構造の確立の達成は難しい状況といえる。
そこで、創業100周年(2027年度)に向けてさらなる飛躍・躍進を遂げる次の第三次中期経営計画に期待がかかる。
第三次中期経営計画においても、収益の大きな柱は引き続き石油・LPガスになり、足もとではガソリン販売が厳しいものの、建設重機向け軽油やホームセンターと連携した灯油販売が好調である。
一方、ROE向上・安定化のため、長期経営構想では石油事業への依存を引き下げる方針であるため、第三次中期経営計画をけん引するのはLPガスと新規事業ということになろう。
そのうち新規事業は、サブセクターそれぞれの収益貢献が見込まれており、なかでもシェアサイクル事業と建物管理事業、再生可能エネルギー事業への期待が引き続き大きい。


一方、コロナ禍で十分投資ができなかったため、第三次中期経営計画の前半は投資先行になると思われる。
特に再生可能エネルギーは、エネルギー事業者として特に伸ばしていきたい領域であり、既存の太陽光による再生可能エネルギー事業から、風力発電やバイオマス発電へと裾野を広げていく考えである。
DX投資も強化される見込みだが、基幹システムの導入など守りのDXから、新規事業創出をサポートする攻めのDXへと投資の視点を変えていく考えである。
このため、第三次経営計画の中盤まではやや先行投資的となり、持続的にROEが6%以上となるのは、第三次中期経営計画の後半となりそうである。
ただし、新規事業が収益事業として打ち揃ってくるため、中期的には定性目標を想定通りに推進し、2027年の創業100周年には持続的にROE6%以上を達成するだけでなく、投資家が一定の目安とするROE8%も視野に入ってくると思われる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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