［東京 ８日 ロイター］ - 日経平均 .N225 前場終値 19350.94 +58.95 寄り付き 19315.63 安値／高値 19302.71─19383.25
東証出来高(万株) 118758 東証売買代金(億円) 12949.42
前場の東京株式市場で日経平均は反発。前日の大幅な下げの反動で買い戻しの動きが広が った。欧米での金利上昇に一服感がみられたことを背景に、米国株が上昇したことも支え となった。ただ今晩には４月の米雇用統計の発表を控え、海外市場の反応を見極めたいと の心理から上値追いには慎重な姿勢がみられ、買い一巡後はもみあいを続けた。
前日の米国株市場では主要株価３指数がそろって反発。外部環境にやや落ち着きがみ られたことで東京市場は買いが先行し、日経平均は寄り付きで１万９３００円台を回復し た。銀行や不動産など金利敏感株が堅調に推移したほか、中国の電子商取引大手アリババ ・グループ・ホールディング BABA.N の好決算を受け、同社に出資するソフトバンク<998 4.T>が前日比で一時３％高となり、指数を下支えした。
寄り付き後に株式市場筋が推計した５月限日経平均オプションの最終決済に関わるＳ Ｑ（特別清算指数）値は１万９２７０円７９銭。日経平均は日中、この推計値を上回って 推移した。もっとも「世界的な金利上昇が一服したものの、先行きには不透明感があり上 値を買う環境でもない」（国内証券）といった声が聞かれたほか、米雇用統計前で手掛け にくさも意識された。
光世証券・執行役員の西川雅博氏は「長期的な強気トレンドは続いているが、目先の ところでは調整が続くとの意識が強い。富士重工業 7270.T など、取引時間中に発表され る主要企業の決算内容が相場に及ぼす影響を見極めていくこととなるだろう」と指摘して いる。
個別銘柄では任天堂 7974.T が大幅高。７日に米テーマパーク「ユニバーサル・スタ ジオ」運営会社のユニバーサル・パークス＆リゾーツとの提携を発表した。「マリオ」な どキャラクターを使ったアトラクションを共同開発することで基本合意。詳細は未定だが 、新たな事業展開への期待感から買いが入った。
半面、住友ゴム工業 5110.T が反落。７日に発表した第１・四半期（１─３月）連結 決算が前年同期比２．９％減収、同３４．４％営業減益となり、嫌気された。またキーエ ンス 6861.T が軟調。同日に発表した２０１５年３月期業績は堅調な内容だったものの、 株主還元策やＩＲ姿勢に変化がみられなかったことで、期待外れとの受け止めから売りが 出た。
東証１部の騰落数は、値上がり１１８８銘柄に対し、値下がりが５６３銘柄、変わら ずが１３０銘柄だった。
(長田善行)