[東京 20日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 20170.51 +144.13 寄り付き 20175.59 安値/高値 20148.51─20207.1
東証出来高(万株) 122075 東証売買代金(億円) 13649.39
前場の東京株式市場で日経平均は続伸。一時180円高となり、取引時間中で4月23日 以来約1カ月ぶりとなる2万0200円台を回復した。堅調な欧米株に加え、1ドル12 0円代後半へと進んだ円安を手掛かりに、主力輸出株を中心に買いが先行。市場予想を上 回った1─3月期国内総生産(GDP)も株高を支援した。
前日に4月23日の高値を更新したTOPIXに続き、きょうはJPX日経400が 年初来高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事が5、6月に量的緩和 に伴う国債購入の規模を拡大することを示唆し、独金利やユーロが低下。欧州株が続伸し たほか、米ダウも最高値を更新するなど良好な外部環境を背景に東京市場も寄り付きから 買いが先行した。
内閣府が寄り前に発表した1─3月期GDP1次速報は前期比プラス0.6%、年率 換算でプラス2.4%となり、ロイターの事前予測を上回る成長となった。市場では「民 間消費、設備投資、住宅投資の主要ドライバーが予想を上回る改善を示したことはポジテ ィブ」(国内証券)と評価する声が聞かれ、買い安心感につながったという。
一方、高値圏では利益確定売りなどに上値を押さえられた。いちよしアセットマネジ メント執行役員の秋野充成氏は「4月後半に2万円台を回復したときに比べ、過熱感が乏 しく、滞留期間は長くなりそう。ただ、米景況感の先行き懸念や海外金利の動向などに対 する警戒感がくすぶり、上値を追うのは時期尚早」との見方を示した。
個別銘柄では、人気コミック「花より男子」を原作とする恋愛ドラマアプリ「花より 男子F4とファーストキス」を7月上旬から配信開始すると発表したボルテージ 3639.T が期待先行でストップ高。自社株買いを発表したアスクル 2678.T や野村 8604.T も買い 優勢となった。
半面、タカタ 7312.T が続落。同社が約3400万台の車両に搭載されたエアバッグ インフレーターの問題に伴う欠陥を認め、米国でリコールを実施することで合意したと、 米道路交通安全局(NHTSA)が発表。競合他社への部品発注の加速など、事業へのダ メージを懸念した売りが出た。
東証1部の騰落数は、値上がり899銘柄に対し、値下がりが802銘柄、変わらず が181銘柄だった。
(杉山容俊)