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サクシード Research Memo(5):社会的意義の大きいICT支援員や部活動指導員などの紹介・派遣

発行済 2022-12-20 17:45
更新済 2022-12-20 18:00
© Reuters.
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■サクシード (TYO:9256)の事業概要

4. 教育人材支援事業
教育人材支援事業では、ICT支援員や学校教員、部活動指導員、日本語教師など、教育に携わる人材を学校や自治体に紹介・派遣している。
ほかに、他社学習塾・予備校に対して、塾講師や教室長などの紹介・派遣や業務受託を行うサービスも展開している。
特に学校教員は、生徒指導のほか部活動指導や英語必修化、プログラミングの教科化など負担が激増しており、海外の教員と比較して労働時間が1.4倍程度長くなっている。
このため、教員人気は低下傾向が続いており、公立小学校教員採用倍率は2016年の3.6倍から2020年には2.7倍へと大きく低下した。
しかも今後35人学級が始まると、5年間で新たに13,000人の教員が不足するとの試算もある。
このため、閉鎖的だった学校や自治体もようやく重い腰を上げ、教員の業務負担軽減や働き方改革などを目的に予算を計上するようになり、今は導入しやすいICT支援員が先行してはいるが、外部の部活動指導員、ALT※などの人材も有効活用するようになりつつある。
以下は、同社の代表的な教育機関向け人材サービスである。


※ALT(Assistant Language Teacher):グローバル化に対応した英語教育を実践するために、小学校、中学校、高等学校に配置する外国語指導助手。



1) ICT支援員
日本では、オンラインやタブレットなどのICTを授業で利用できる教員が、諸外国に比べ非常に少ない。
これを是正するため文部科学省は教育現場のDXを強力に推進、コロナ禍もあって「GIGAスクール構想※」の実現年度を前倒し、児童1人につき1台の情報端末を配賦し、4校に1人のICT支援員を配置するという目標が設定された。
この結果、自治体はICT支援員の確保を迫られることになり、同社はこれに対して、2022年3月期に新たにICT支援員を紹介・派遣する人材サービスを開始した。
これにより、学校・教員の負担軽減と学校授業の質向上という教育現場の課題解決が、徐々にではあるが進むと予想されている。
ICT支援員の学校への配置はまだ始まったばかりの制度のため、当面の間、全国で需要が継続すると見られている。
同社はICT支援員の人材サービス体制を充実・強化し、ターゲットを全国の自治体に拡大して提供していく考えである。


※GIGAスクール構想:1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークによって、多様な子どもたちを誰1人取り残すことなく、公正に個別最適化し、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現すること。



2) 学校教員
全国の私立小・中・高校に対して、常勤・非常勤の教員を紹介・派遣するサービスを展開している。
かつて教員は人気職種だったが、現在では厳しい職場環境にあるため、教職志望の学生の減少が続いている。
加えて大量に採用された世代の教員が定年を迎えていることもあり、教員が不足する時代が間もなく来るとも言われている。
35人学級ともなればなおさらなうえ、教員の採用倍率低下に伴う質の低下も懸念されている。
同社の特徴は教育関連の人材を多く抱えているところにあるが、なかでも教員の人材紹介サービスのニーズの高まりを受け、教員の転職をサポートするための求人サイトなどを強化しており、今後も多くの教員の登録者のなかから適材を各校に紹介・派遣していく方針である。


3) 部活動指導員・部活動の運営受託
部活動の負担が増えることで教員本来の業務である授業に集中できなくなっていることや、部活動の指導に割く時間外労働の多さ、部活動に対するノウハウや責任の所在など、学校現場において部活動が大きな課題となっている。
同社は、全国の学校に対して、部活動の運営を受託するサービスを展開している。
部活動の運営を外部に委託することで様々な課題が解消され、教員の働き方改革の実現につながっているが、さらに、ハイレベルな競技実績や理論を有する外部コーチの指導により、生徒の満足度も向上する。
このため現在、同社の部活動運営受託は私立学校を中心に人気となっている。
また、公立学校でも、教員の働き方改革を進める必要から予算確保の動きが出ている。
部活動指導員はアスリートのセカンドキャリアとしても有効な職業であると思われる。


4) 日本語教師・ALT
少子高齢化に伴う人材不足を背景に日本企業では外国人材の採用ニーズが高まっており、それに伴い人材が定着するための語学支援のニーズが広がっている。
同社は、外国人材を雇用する企業に対し、日本語教師の派遣やオンライン授業の配信、日本語教室の運営受託など様々な語学支援サービスを展開している。
コロナ禍で一時的に需要が落ちたと言われるが、2030年には国内で600万人を超える人手不足に陥るとの予測もあり、また、インバウンドの復活も見込まれることから、人材サービスのなかでも中長期的に大きく伸びる分野と考えられている。
一方、グローバル化に伴って日本人の語学力の向上が求められているため、小中学校や高等学校にALTを配置することになっており、こうしたニーズを捉えて同社ではALTの紹介・派遣も行っている。


5) 学内塾の運営受託
同社は、私立中高一貫校、公立中学・高校に対して、学内塾の運営を受託するサービスを展開している。
長年学習塾を運営してきたノウハウを生かし、放課後や土日、または早朝に、学校の教室において多彩なカリキュラムの課外授業をサポートしている。
また、生徒の学習支援を行うチューター(塾内で学習補助を行う講師)や、進路相談を担当するカウンセラーによるサポートも行っている。
少子化に伴い特に私立学校の生徒獲得競争は激化しており、多くの学校は生き残りをかけて進学実績など特徴づくりを急いでいる。
そうした学校が生き残るための差別化として、同社の学内塾は大きな役割を担っている。


6) 塾講師
学習塾の講師は、供給の偏在性や雇用の季節性から採用難易度が高いと言われており、学習塾業界は慢性的な講師不足状態にある。
同社は、そうした課題を持つ他社学習塾や予備校に対して、専任講師やアルバイト講師を紹介・派遣するサービスを展開している。
同社は「教えるシゴト」など自社媒体や「indeed」などの有料媒体を通じて講師を集め、専任のコーディネーターが希望などを詳細にヒアリングして、講師1人ひとりの細かなニーズを汲み取る。
一方で求人企業である学習塾の求人内容の詳細や個別の事情も予め聴取しておくため、直接応募と比較して、講師と学習塾双方のニーズに合致したマッチングが可能となる。
競合する他社学習塾が顧客でもあるというユニークなビジネスで、学習塾業界全体に流入する教育費が同社のターゲットとなっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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