[東京 10日 ロイター] - 日経平均 .N225 終値 20046.36 -49.94 寄り付き 20126.36 安値/高値 20016.32─20264.92
TOPIX .TOPX 終値 1628.23 -6.14 寄り付き 1635.06 安値/高値 1627.11─1646.78
東証出来高(万株) 253522 東証売買代金(億円) 29411.29
東京株式市場で日経平均は4日続落となった。午前中は前日の大幅安の反動で買いが先行 した後は、欧米金利の動向など海外の不透明要因が重荷となり伸び悩む展開となった。後 場に入ると黒田日銀総裁の発言を受け急速にドル安/円高が進行し、株式市場は先物売り で下げに転じた。しかし押し目買いの動きがみられ、日経平均の2万円割れは回避した。
前日に日経平均の下げ幅が360円と大幅安となったことで、朝方の東京市場ではリ バウンド期待が広がった。主力株に買い戻しの動きがみられ、2万0200円台を回復す る場面もあった。
だが、黒田総裁が午後の衆議院財務金融委員会で、「ここからさらに実質実効為替レ ートが円安に振れるということはなかなかありそうにない」と発言。これを受け、外為市 場ではドルが124円台半から122円台半ばまで急落した。
円高進行を嫌気し、日経平均は2万0016円32銭まで下落。ただ、安値圏では押 し目買いや買い戻しの動きが広がり、指数は切り返す動きを見せた。「欧米金利が上昇す るなか、先進国市場では日本株に安定感があるとして消去法的に買われている。公的資金 の流入により、短期筋が与えるインパクトも小さくなりつつある」(岩井コスモ証券・執 行役員投資調査部長の木村勝氏)という。
もっとも、大引けにかけては指数は再度軟化した。メジャーSQ(特別清算指数)の 算出を今週末に控え、ポジション整理の動きにも押されたとみられている。「需給は良好 だが、外部要因で為替についてはドル120円割れもあり得る。日経平均は2万円割れも 想定されるが、個人投資家などの買い余力は大きい」(光証券・森中寛社長)との声も聞 かれ、下落局面では買いたい投資家が多いとの見方も広がっている。
個別銘柄では米久 2290.T がしっかり。9日に2016年3月期の連結業績予想を上 方修正したと発表し、好感された。食肉相場が堅調に推移。加工品の販売も好調を維持し ているという。
半面、ミサワ 3169.T が大幅安。9日に発表した2016年1月期連結業績予想の下 方修正を嫌気した。円安進行による仕入れコストの上昇やポイント引当金の前倒し計上な どを理由に、通期営業利益を4億0600万円(従来6億7700万円)に減額した。
東証1部騰落数は、値上がり640銘柄に対し、値下がりが1066銘柄、変わらず が179銘柄だった。
(長田善行)