[パリ 23日 ロイター] - コンサルタント会社のベイン・アンド・カンパニーは半期に1度の高級品市場に関するリポートで、衣料品やアクセサリー、化粧品など個人向け高級品の今年の全世界での売上高伸び率見通しを従来の3─8%から5─12%に引き上げた。
景気の先行き不透明感が低所得者層を圧迫しているため、そうした層による「背伸び」買いを狙うブランドより、米国の最富裕層に焦点を絞った高級ブランドの方が好調だとしている。
中国は新型コロナウイルス封じ込めのためのロックダウン(都市封鎖)が解除され、成長の主要なけん引役と目されている。しかし米国は最近発表された小売各社の決算からパンデミック後の力強い消費に陰りが見えると危惧を示した。
ベインのパートナー、フェデリカ・レバト氏は、「最上位の顧客の需要に対応できるブランドは他のブランドよりも好調だ」と述べた。高級品市場では好調なブランドと不振なブランドとの間で隔たりが生じているという。
高級ブランドの多くは販売戦略の転換や高級化を進め、景気の逆風に強いとされる最富裕層顧客の需要に対応しようとしている。
ベインによると昨年の高級品の売上高は総額3450億ユーロだった。