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CEHD Research Memo(3): SIerとしてシステムの企画、構築、運用サポートで幅広く医療を支える

発行済 2023-07-05 12:23
更新済 2023-07-05 12:30
© Reuters.
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*12:23JST CEHD Research Memo(3): SIerとしてシステムの企画、構築、運用サポートで幅広く医療を支える ■事業概要

3. 事業内容
CEホールディングス (TYO:4320)は2023年9月期より報告セグメントを変更した。
従来の医療ソリューション事業に健康相談窓口や特定保健指導の受託業務を加え「ヘルスケアソリューション事業」とし、今後の成長戦略の1つとして掲げるマーケティング支援に係る事業領域を「マーケティングソリューション事業」として2つのセグメントを設けた。
「ヘルスケアソリューション事業」は電子カルテシステム及び医療情報システムの開発・販売・保守、医薬品・医薬機器の開発業務受託を取り扱い、「マーケティングソリューション事業」はデジタルマーケティングの顧客支援、デジタルサイネージシステムの販売やレンタルを行う。
2023年9月期上期のセグメント別売上高及びセグメント別利益の構成比で見ると、「ヘルスケアソリューション事業」が売上高の96.7%、セグメント利益の100%を占める主力事業となっている(マーケティングソリューション事業のセグメント利益は若干の損失となっているため、便宜上、ヘルスケアソリューション事業のセグメント利益構成比を100%としている)。


(1) ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業は同社グループの主力事業で、病院向けの電子カルテシステム開発・販売、及び医療情報システムインテグレーション(医療機関を中心としたユーザーの課題を解決するための情報システムの企画、構築、運用サポートなどを引き受ける事業)等を行っている。
同社の主力製品である電子カルテシステムは、診療記録システム(紙カルテを電子カルテに置き換えたもの)、オーダリングシステム(医師が検査や投薬等の指示を入力し、それを受取者が処理する)、看護支援システム(看護業務や病棟管理)を連携し病院の基幹システムの役割を担う。
これらを会計や画像管理、検査システムなどの部門システムやハードウェアなどを組み合わせて販売する。
同社の電子カルテシステムは受注から稼働まで10ヶ月近くかかる場合もあるが、それは同社が電子カルテソフトウェアの販売に留まらず、設備や設定までシステムインテグレートを行う企業だからである。


ヘルスケアソリューション事業の中核となる電子カルテ事業では、CSIとMCSが電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」を中心とした医療情報システム開発と受託システム開発を行っている。
「MI・RA・Is/AZ」は一般病院向けパッケージ、療養病棟や精神病棟を有した病院向けパッケージ、ノンカスタマイズ・低価格で導入可能な小規模病院向けパッケージなど複数の製品ラインナップを揃えているため、様々な規模・形態の医療機関のニーズに応えられる。
電子カルテの導入実績は2023年3月31日時点で895件あり、全国展開されている。
見やすい画面や優しい操作性、全国800を超える医療機関のノウハウ蓄積により、医療安全・経営改善・業務効率向上をサポートする。
また、主に日本電気 (TYO:6701)(NEC)グループからの委託により、地域中核病院を中心とした大病院向けの医事会計システム、電子カルテシステム、オーダリングシステム、検査システム、輸血システム等の医療情報システムの開発など幅広い事業展開を行うなど、他社にはないサービスを提供することで差別化を図っている。


ヘルスケアソリューション事業における連結子会社の主な事業を挙げると以下のようになる。


(a) シーエスアイ(CSI)(持株比率100.0%)
電子カルテシスム「MI・RA・Is/AZ」を中心とした医療情報システム開発と受託システム開発を担っている。
電子カルテシステム「MI・RA・Is」は、1999年のリリース以降、顧客からの声を積極的に取り入れ、年1回のバージョンアップを実施することで現在も進化を続けている。
また、大規模災害が増加している昨今、従来の病院内で完結したシステムから、データセンターを利用した病院基幹システム構築の必要性が高まっているため、強固で安全なデータセンターを活用し、災害時であっても患者のデータを確実に守るクラウド型電子カルテサービス「MI・RA・Is/AZ for Cloud」も提供している。
ほかにも、医療機関と患者やその家族とのコミュニケーションを支援するデジタル問診サービス「かかりんDX問診」や、厚生労働省が推進する地域の包括的な支援・サービス提供体制「地域包括ケアシステム」を構築する「ID-Link」などを手掛けている。
「ID-Link」は、地域の病院やクリニックに分散した診療情報を統合して共有するネットワークサービスである。
休日・夜間でも、連携先の医療機関は診療情報を参照できるなど、地域全体で地域医療を支えるシステムの構築を目指している。
患者ID管理・アクセス権管理・診療情報の所在はデータセンターで、診療情報は医療機関で保管し、地域を超えた診療情報の共有や、将来的な共有範囲拡大にも対応できる。


(b) エムシーエス(MCS)(持株比率51.0%)
「MI・RA・Is」シリーズに組み込まれている看護支援システムの開発・導入を行っている。
看護支援システムは病棟状況を容易に把握でき、入院から退院までの看護過程を「管理」「現場」の両面でサポートする。
このほかに、勤務表作成・管理業務の効率化システム「ナース物語 ナイスプランII」やリハビリ訓練や単位数管理、実施計画書の作成など事務作業や管理業務の軽減をサポートするリハビリテーション業務支援システム「リハ物語 POST」、医師や看護師、薬剤師、医事課など、院内の血糖値測定に関わる業務をサポートする血糖値管理システム「MediRound DM1」、院内診療材料のコスト削減、病院経営改善から保険請求漏れ防止、患者の安全確保をサポートする物流管理システム「サプライ物語」など、幅広い製品・ソリューションを手掛けている。


(c) デジタルソリューション(DS)(持株比率100.0%)
医療情報システムの運用管理、医療情報システムの受託開発や導入、医療機関向けキャッシュレスソリューションの提供等を行っている。
医療情報システムの運用管理は、現在、首都圏の約20病院で院内情報システムの運用・保守サービスを展開し、障害や問い合わせ対応、システムメンテナンス等の業務を行っている。
医療情報システムの受託開発や導入は、電子カルテシステムや医事会計システム等の開発・導入等を行っている。
医療機関向けキャッシュレスソリューションは、「料金後払いシステム」を新たに開発し2020年4月に特許を取得している。
この「料金後払いシステム」は、医療機関の料金を後払いにすることで、受診後、会計を待たずに帰れるシステムとなっており、医療機関にもピークタイムの業務負担軽減やオペレーションコストの削減等の様々なメリットをもたらす。
2018年にリリース以降、全国の大学病院や大規模病院を中心に導入を推進している。
販売はグローリーが担当し、DSは同システムの導入・保守作業を担う。
なお、DSが手掛けているデジタルサイネージシステムの販売やレンタルについては、マーケティングソリューション事業に計上している。


(d) マイクロン(持株比率70.6%)、エムフロンティア(マイクロンの完全子会社)
マイクロンでは、主に医薬品や医療機器の臨床開発支援(モニタリング、品質管理、イメージング・コアラボ業務、画像解析、読影支援等)を手掛けている。
特に国内では医療用画像を活用した臨床試験をサポートする先駆的なイメージングCRO(Contract Research Organization:医薬品等開発業務受託機関)として、トップシェアを有している。
また、同社はプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)の製造販売も行う。
SaMDは、疾患の治療、診断、予防に使用されるソフトウェアであり、マイクロンは医療機器の開発から販売までを一貫して支援できる日本唯一のCROである。


マイクロンはまた、医薬品・医療機器の臨床開発及び臨床研究領域において、臨床現場を中心とした日常診療の情報(電子カルテ記載情報含む)を利活用する事業を行うなど、電子カルテシステムとのシナジー創出に取り組む。


マイクロンの100%持株会社であるエムフロンティアでは、臨床開発に必要となる高度な人材の派遣を手掛けている。


同社は、電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ の開発・販売を主力としているが、医療関係者が直接触れる電子カルテシステムは、他の医療情報システムにはない特異な存在であり、同社グループはその分野で大きなシェアを持っている。
電子カルテシステムと医薬品・医療機器の臨床開発は近接分野だが、その両方を同一グループでカバーしているのは日本国内で同社グループのみである。
また同社グループは、医療施設と製薬会社・医療機器開発会社の両方と接点を持つ数少ないグループでもあり、医療業界において幅広いニーズを把握し、製品・サービス開発につなげられることが大きな強みとなっている。


(e) Mocosuku(持株比率57.5%)
医療とWebの知見を活用した、産業保健事業、人材事業、マーケティング事業を手掛けている。


(2) マーケティングソリューション事業
(a) デジタルソリューション(DS)(持株比率100.0%)
DSが手掛けているデジタルサイネージシステムの販売やレンタルについては、マーケティングソリューション事業に計上している。


(b) サンカクカンパニー(持株比率100.0%)
企業やサービスのデジタルマーケティング実行支援(WebサイトのリブランディングやWebプロモーション等)やデジタルマーケティング人材の育成を行っている。
事業内容が同社の今後の成長戦略で進出する領域に欠かせないものであり、シナジー効果が期待できる。


4. サステナビリティ
同社では、「医療を中心としたヘルスケア全般をITで支援し、それに関わる『国民の安全・安心な生活』や『社会や事業者が抱える課題解決』に寄与することを目指す。
」との企業理念を通じて、その使命に一貫して応え、各事業の強みを生かしながら事業を展開することが、持続的成長を可能にすると考えている。
人々の健康の維持・増進は持続可能な社会を築くうえで根源的なものであり、日本の財政や社会保障制度を持続可能なものとするために増大する国民医療費をどのように抑制していくのかを重要な課題と認識し、医療情報システムの提供や医薬品・医療機器の開発支援等を通じてこれらに貢献することを目指す。
加えて、人権・環境等のサステナビリティ課題についても重要な経営課題とし取り組んでいく。
事業領域そのものが社会貢献度が高く、同社のサステナビリティへの取り組みはSDGsに挙げられているいくつかの目標と完全に合致している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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