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森六 Research Memo(1):「ものづくり」と「商社」機能を持つ日本最古参の化学専門企業

発行済 2023-07-10 12:41
更新済 2023-07-10 12:45
© Reuters.
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*12:41JST 森六 Research Memo(1):「ものづくり」と「商社」機能を持つ日本最古参の化学専門企業 ■要約

森六ホールディングス (TYO:4249)は、東京証券取引所プライム市場に上場し、2023年に創業360年を迎えた日本最古参の化学専門企業グループの純粋持株会社※である。
セグメントは、自動車部品の「メーカー」機能を果たす森六テクノロジー(株)を中核会社とする樹脂加工製品事業と、化学分野における「商社」機能を果たす森六ケミカルズ(株)を中核会社とするケミカル事業を有する。
また、世界14ヶ国に事業所を持ち、売上高の約7割を海外が占めるグローバルグループでもある。
同グループは、2022年5月に新たな長期ビジョンと中期経営計画を策定し、各拠点の収益性の向上や事業領域の拡大を進めるとともにサステナブルな社会の実現に向けた様々な取り組みを加速している。


※2024年4月1日から「事業持株会社」へ移行することを発表済。



1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の業績は、売上高142,019百万円(前期比10.2%増)、営業利益1,335百万円(前期比53.1%減)、経常利益1,596百万円(同46.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,346百万円(同68.4%減)となった。
前期に特別利益として投資有価証券売却益を計上したことから、当期純利益の減益幅が大きくなっている。


事業セグメント別では、樹脂加工製品事業は半導体供給不足や中国のロックダウンの影響による主要顧客の減産があり、為替の影響を除くと、実質的には減収となった。
利益面では、生産台数が減少するなか、急激な生産変動による稼働ロスやインフレ(原材料やエネルギーコスト)の影響により、営業利益は大幅減となった。
ケミカル事業は、売上高は堅調に推移したが、 ものづくり分野でエネルギーコストの上昇影響を受けたほか、 営業活動の再開に伴う販管費の増加などにより増収減益となった。


2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高130,000百万円(前期比8.5%減)、営業利益3,500百万円(同162.0%増)、経常利益2,900百万円(同81.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円(同41.1%増)と予想されている。
減収予想は、為替を円高(1ドル120円前提、前期実績135.5円)と見ているためである。
利益面においては、樹脂加工製品事業では客先の生産台数が回復することに加え、生産の段取りなども通常に戻ると予想しており、利益率が改善する見込み。
ケミカル事業では、原材料価格も落ち着くと見られることから利益は横ばいを予想している。
年間配当は、前期と同額の100円(予想配当性向79.4%)を予定している。


3. 中期経営計画
同社では、中長期的な企業価値向上を目指して、2022年5月に「CREATE THE NEW VALUE」をスローガンとした長期ビジョン「2030年ビジョン」を策定した。
2023年3月期をスタートとする3ヶ年の第13次中期経営計画は、そのビジョン達成に向けたステップ1という位置付けで、I 安定した財務基盤の確立・収益力の強化、II 研究開発の強化による価値創造と2030年に向けた種まき、III サステナビリティ活動の推進による経営のレジリエンス向上の3つを基本戦略として推進している。
定量的目標として2025年3月期に売上高1,430億円、営業利益110億円、ROE 9.1%を目指す。
初年度である2023年3月期の結果は、定量的な部分では計画をやや下回ったものの、会社は現時点では変更・修正は行っていない。
一方で、開発強化、2030年に向けた種まきなど、定性的な目標は着実に進んでおり、今後の動向に注目したい。


■Key Points
・2023年に創業360年を迎えた日本最古参の化学専門企業で、メーカー機能と商社機能を持つ
・2023年3月期は客先での生産減などで営業減益だったが、2024年3月期には回復を目指す
・中期経営計画で(1)収益力の強化、(2)研究開発の強化、(3)サステナビリティ活動の推進など基本戦略を推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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