[上海 10日 ロイター] - 今年上半期の中国新規株式公開(IPO)申請受理件数は約330件と前年同期の500件強から約3割減少したことが、取引所データで明らかになった。景気減速などが響いた。
当局はIPO登録制を採用しているが、銀行関係者によると、大部分が当局の裁量に委ねられており、国家安全保障や産業政策を基に決定する不文律が用いられている。
EYの大中華圏担当IPOリーダー、テレンス・ホー氏は申請減の一因について、昨年の中国経済低迷が事業を直撃し、一部の上場候補が収益要件を満たせなかったことにあると指摘。さらに「規制当局がスポンサーに対する厳格な規則を課したため、スポンサーがIPOに慎重になった」と述べた。
中国のIPO市場で調達された資金総額は昨年より縮小したものの、上半期はニューヨークや香港をしのぎ世界最大を記録。上海証取の新興ハイテク企業向け株式市場「科創板」が106億ドルでトップとなり、深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」が93億ドルで続いた。リフィニティブのデータによると、ニューヨークは54億ドル。
650億元(90億ドル)の資金調達を目指すシンジェンタは上海証取からゴーサインを得ており、中国で今年最大の上場になる可能性がある。