[東京 16日 ロイター] - 一部賃金未払いなどを巡り会社側と交渉していた格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンの労働組合は16日、ストライキを「いったん見合わせる」と発表した。組合は17日以降のストを視野に交渉を続けていたが、14日の団体交渉での会社側の回答に「前進がみられた」(労組執行部)として評価した。
同社の労組ジェットスター・クルー・アソシエーション(JCA)によると、14日の団体交渉で会社側は、1)法定内・法定外の残業代や法定外休日手当の支給について、全対象者に法律上の時効を適用せず過去の未払い分を支払う、2)組合事務所を可及的速やかに提供する――と回答した。
一方で、新型コロナウイルス感染拡大の最中に一方的に減額された通勤費の支払いなどについてはJCAは「争議権(ストライキ権)を確立した状態で引き続き交渉を継続する」としている。一部賃金未払いなどに関しても会社側が回答通り実行しない場合にはストを再び計画する可能性がある。
これまで会社側は未払い賃金を支払う意向を示しながらも支払わない状態が続いており、JCAは会社側の真摯な対応が見られないとして3日に争議権を確立、17日以降に国内線でのストを実施する可能性を示していた。決行された場合、旅客需要が多い夏休み中の運航に影響が出る可能性があった。
ジェットスター・ジャパンの広報は、顧客や関係者に「ご心配、ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」とした上で、「今後も労働組合とは真摯に協議し、最良の着地点を見いだせるよう全力を尽くしていく」とコメントした。