[29日 ロイター] - 米国株式市場は急伸して終了した。7月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数の減少が確認されたことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げを休止するとの観測が強まり、半導体大手エヌビディアや電気自動車(EV)大手テスラなどの大型グロース株に買いが入った。
S&P総合500種は6月2日以来の大幅な上昇率、ナスダック総合は7月28日以来の大幅上昇を記録。両指数とも終値で2週間余りぶりの高値を付けた。
JOLTSで求人件数は3カ月連続で減少し、882万7000件となった。労働需給の逼迫が和らいでいる兆候を示した。
コンファレンス・ボード(CB)が発表した8月の米消費者信頼感指数が106.1と市場予想の116.0を下回ったことも市場で材料視された。
CMEのフェドウオッチによると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが政策金利を据え置く確率は87%となり、11月まで据え置く確率は54%となった。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「投資家が『利上げは既に過去のものなのかもしれない。それなら株を買い直そう』という考えになっている」と分析した。
米国債利回りの低下もグロース株の支援材料となり、エヌビディアは4.2%上昇し、終値で過去最高値を更新した。
テスラは7.7%の大幅高。米規制当局が同社の運転支援機能「オートパイロット」に関し、ドライバー監視システムの変更について質問を送ったことが明らかになったが、買いが先行した。
グーグルの親会社アルファベットは2.7%高。人工知能(AI)技術や提携に関する一連の発表を好感した。
米取引所の合算出来高は100億株。直近20営業日の平均は107億株。
通信大手ベライゾンとAT&Tはどちらも3%超上昇。シティは両社の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に引き上げた。
S&P500は値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を8.2対1の比率で上回った。
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